うんこ、鼻毛、ニートの文字も... 弘前名物「自由すぎる書道展」がマジで自由すぎた
青森県弘前市で行われている、とある書道展が全国の注目を集めている。
桜風書道教室作品展(写真は、すべて日本教育書道会桜風支部提供)一見、普通の書道展だ。「いや、子供にしては上手だと思うけど?」「なにが話題になっているの?」と不審に思った読者も多いことだろう。
それでは、よくご覧いただこう。
真ん中は、江戸幕府を開いた「徳川家康」だ。達筆ではあるが、注目してほしいのはその横にある文字。「武田信玄がこわすぎてうんこをもらす」と小さく書かれている。1573年、三方ヶ原の戦いで徳川軍が武田軍に敗れた際の逸話として伝えられている。
またその左の「伊達政宗」の横には、「謝罪の方法がどう考えてもふざけすぎ」と書かれている。
これはいったい何だろう? 真面目な書道展のはずだが、ふざけすぎではないか。
これは、日本教育書道会桜風支部が2020年3月3日から開催している「桜風書道教室作品展」だ。「自由すぎる書道展」として、以前から話題となっている。
Jタウンネット編集部は、この書道展を主催する三浦桜風さんに取材した。
アニメ、妖怪、難読漢字も...
「やばい日本史」作品がずらり
この書道展の企画意図について、三浦桜風さんはこう答えた。
「今年で10回目になります。上手い子は表彰、展示などされますが、そうでない子は見てもらう場がないので、自分の教室の支部展を企画しました。
最初の頃はあまり遊び心がなく、色墨を使って書くくらいでしたが、決まりも何もない自分達の教室の支部展なので、少し面白いことをしてみようと思い、色々なテーマでやるようになりました」
過去には、どんなテーマで書いたのだろう。
日本の妖怪、世界の偉人、好きなアニメ映画、好きなスポーツ選手、世界遺産、好きな有名人、日本酒の種類、修造カレンダー、力士の名前、米の種類、刀の種類、迷信、お城、星座、難読漢字の食べ物、昔話(民話)、北斗の拳、etc
なるほど、自由すぎる! 「定期的に本屋さんに行って、子供達が興味を持ってくれそうで、面白くて、勉強に役立つ本を探して、支部展の時に書きます」と三浦さん。
そして今年は、「やばい笑える日本史」だ。
真田幸村は「ニート」?
夏目漱石と書かれた紙の横には、「原稿用紙に鼻毛を植え付け弟子にコレクションされる」と小さく書かれている。さらに紫式部のところには、「清少納言に夫をバカにされてブチギレる」。松尾芭蕉は、「武将おたくで遺言は『推しメンの隣に埋めて』」だ。
「やばい笑える日本史」は、東京大学史料編纂所教授の本郷和人さんが監修した「東大教授がおしえるやばい日本史―歴史ってすごいばかりじゃたのしくない」(ダイヤモンド社刊)が元ネタだ。
この本を読んだ子供たちが、それぞれ好きな人物を選び、書いた作品らしい。学校の教科書とは少し違った観点から日本の歴史が学べて、きっと楽しかったのではないか。
見ているだけで楽しい
書道を子供たちに教えるには、どんな苦労があるのだろう?
「そんなに苦労と思ってやってないので、とくにありませんが、書道というより、年々、挨拶、返事、正座など、基本的なことが出来ない子が増えていますね」
ツイッターには、「名前の側に書かれてる皮肉めいた一文にニヤッとしてしまった」「腹を抱えて笑わさせていただきました!」「まじで元気出ました。 ありがとうございました」といった感想が寄せられている。
今年のテーマは、「やばい笑える日本史」の他に、「ゆるキャラ」「世界の未確認生物(UMA)」「焼酎」「好きなパン」「ほんとうはこわい植物」「お茶の種類」「雪の種類」など。3月29日まで、イトーヨーカドー弘前店地下通路で展示されている。