ある法学部の学生が目元に施したメイクがツイッターで注目を集めている。

その姿を見た人から「まさに応用憲法です」と、メイクの感想とは思えない反応が寄せられたアイメイクが、こちらだ。


MANAMIさんのツイート(2020 年3月8日付)より

目頭に黄緑、目尻に紫、下まぶたにピンク色のアイシャドウが乗せられた左目。単体で見れば華やかで、どこか不思議な印象も受けるオシャレなメイクだが、隣に並べられた故・芦部信喜氏の「憲法」(第7版)と比べてみると、その色づかいが完全に再現されていることがわかるだろう。

芦部氏の「憲法」は、憲法学の教科書で、数年ごとに改訂を重ね、1993年の初版刊行以来読み継がれているロングセラーだ。法学部に限らず、大学時代に使っていたという人は少なくないだろう。筆者も第5版を持っている。

この写真を投稿したのは、トータルビジュアルプロデューサーとして、著名人のヘアメイクやファッションなどを手掛けるMANAMI(@make_up_manami)さん。現在、法学部法律学科の学生として大学に通う学生でもある。

そんなMANAMIさんの投稿には、

「今年は憲法コスメがくる...メモメモ」
「授業に使うと思って買ったら使わなかったあの教科書じゃないか!」
「芦部憲法をこんな目線で見たことなかったw斬新すてき」

など、驚きや感嘆、そして「芦部憲法」を懐かしむ反応が寄せられている。

他の教科書のリクエストも

メイクのプロで、かつ法学部の学生であるとはいえ、なぜ「芦部憲法」をチョイスしたのだろうか。Jタウンネット編集部は9日、MANAMIさんに経緯を尋ねた。

「アラフォーにして法学部生となった私が一番初めに読んだのが芦部憲法でした。当時は3行読んで閉じたくらい難解でした笑。
しかし苦手な憲法で通学課程への転籍試験を受ける時に読み込んだのも芦部憲法で、格別の思い入れがあります。
7版の装丁の美しさがメイクにしやすかったのもありますが、やはり法学部生や資格試験勉強をする方が持つ基本書の中では知名度でダントツなのではないかなと思い、選びました」(MANAMIさん)

写真を投稿したところ、「芦部憲法の他の版(編注・芦部憲法は版ごとにカラーが異なる)やその他の科目までリクエストをいただいています」とのことで、今後リクエストを少しずつ消化していきたいと考えているという。

ちなみに、MANAMIさんによると今年のトレンドはイエローとブルー。

「潮見(佳男)先生の債権総論ブルー×オレンジや債権各論イエローが今年の気分です」

とのこと。「今年の気分」という表現がメイクのプロらしい、なんともおしゃれな雰囲気を醸し出している。こちらのメイクも近々やってみるそうだ。

「芦部憲法メイク」が大きく注目を集めていることについては、

「法学部生ながら大学のメイクアップサークルに入っていることもあり、法学クラスタ内でメイクする方に楽しんで頂けるかな、と思い掲載してみたら...メイク・コスメクラスタや元法学部生の方々などにも年齢性別を問わず反応していただき驚いています!芦部先生の偉大さを再認識しました。笑」(MANAMIさん)

どうしてもお堅い印象がある「法学」と華やかなアイメイク。どう頑張っても結びつかなそうな2者の見事な融合は、多くの人に衝撃をもたらしたようだ。