駅の階段などで時折見かける赤と黄色のマーク。これが何のために付いているものなのか、みなさんはご存知だろうか。


このマークの正体は?(画像は結月波瑠@a0s4u0k2a1さん提供)

これを投稿したのはツイッターユーザーの結月波瑠(@a0s4u0k2a1)さん。斜視、乱視持ちだという結月さんは、このマークの存在がとても助かるという。

「自分は斜視、乱視持ちなので、手すりがあっても階段が歪んで見えます。身内が居れば支えて貰えますが一人の時はそうもいきません。この目印があるだけで安心して歩けます」

結月さんの投稿はツイッターで反響を呼び、

「わかります?。去年にバイク事故で斜視になったから、街を歩くときのちょっとしたこういう気遣い助かります」
「私もこれがないと転がり落ちます...!いきなり視界が歪んで足を踏み外してしまいます」
「私も斜視と乱視です。駅以外でも、こう言う目印とかのない、例えば神社とかの段差なんかは怖いですよね」

といった声が寄せられている。

マークがないと、どう見える?

斜視、乱視を持つ人はこのマークがないとどのように見えるのか。Jタウンネットは2020年1月10日、結月さんに詳しい話を聞いた。

「マークがある場合はどこに階段があって何段目かはっきり分かります。色がはっきり見えるのでとても助かります。
ない場合、眼鏡があっても遠近感が分からず、一枚の大きな板に見えます。階段が始まるときや、最後の一段も『まだあったのか!!』と踏み外してしまいます」

これがないと階段の段差が分からず、危険な状態だということだ。人が多い時はなおさらだろう。

結月さんによれば写真の階段は東武東上線の駅とのこと。Jタウンネットは21日、東武鉄道の広報部にこのマークについて取材した。

担当者によれば、東武鉄道ではこのマークを「階段段鼻識別シート」と呼んでいるとのこと。段差をよりわかりやすくするために設置している。

導入時期は15年ほど前。現在では旅客用の204駅中、約100駅に設置している。なかでも導入当初に設置した識別シートは、結月さんが投稿した駅のものとは少し異なるデザインになっているようだ。

視覚障害者誘導システムの開発・制作を手掛けるブライユ(東京都板橋区)では「歩行路標識シール」として同じ用途の商品を販売。公式サイトでは、

赤:高齢者の方が認識しやすい
黄色の周囲に黒色:白内障の方が認識しやすい
黄色:弱視の方が認識しやすい

と配色の説明がされている。弱視の人だけでなく、高齢者にとっても助かるマークのようだ。


歩行路標識シール(画像はブライユ公式サイトより)

結月さんに話を伺った限りでは、他の鉄道会社含めて識別シートが導入されている駅は多くない。投稿へのリプライ(返信)では結月さんと同じような悩みを抱える人も見られ、識別シートの普及を願うばかりだ。