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小学校で習う円周率。小数点以下が無限に続く「割りきれない」数字だが、それが届いた荷物に延々と書かれていたらあなたはどう思うだろうか。


なぜか円周率がびっしり(画像は津村耕司@tsumura_isas6さん提供)

ツイッターで注目を集めているのは、東京都市大学天文学研究室准教授の津村耕司さんが2019年12月25日に投稿した内容だ。津村さんは5月の挙式で使用したブーケを保存するため、専門店に頼んで加工。届いたダンボールに円周率がびっしり書かれていたというのだ。

ブーケとは何の関係もなさそうなだけに、ちょっと怖い。津村さんの投稿に対し、他のユーザーからは、

「科学的なんだか呪術的なんだかwww」
「絶対に割り切れないってか」
「いい心意気だなぁw」

といった声が寄せられている。

加工されたブーケはガラス製品。そんな理由もあり、津村さんは「割りきれない」円周率と、ガラスが「割れない」を掛けたのではないかと最初の投稿で推測している。

しかし本当の意味はそれだけではなかったようだ。

「永遠に続く」という意味も

Jタウンネットは1月10日、ブーケを押し花やドライフラワーとして保存加工する、ブライダル専門店のカナックス(東京都港区)を取材した。

ブーケを保存加工したものは「アフターブーケ」といい、カナックスが商標登録している。1990年代から30年近く続けている取り組みだ。

取材に応じたマーケティング担当者によれば、円周率の記載を始めたのは7年ほど前から。円周率には「割りきれない」「永遠に続く」という2つの意味が込められている。

円周率を採用した理由について、担当者は、

「『数字の並び』というのは雰囲気、デザイン的にもとてもユニークだと感じました。また、箱の内側にそのようなデザインを施すことで、さりげなく『お二人への願い』を表現したいと思いました」

とのこと。2人が末永く幸せにあり続けることを願って始めたという。

円周率は押し花4サイズ、ドライフラワー3サイズ、計7サイズ全ての箱に同じようにデザインされている。

担当者はツイッターで話題になったことについて、

「正直驚いています。ダンボール箱の円周率について、質問や問い合わせなど今まで全くなかったので。カナックスの商品をきっかけにアップしてくれたお客様、多くの方々が興味を持ってくれたことには感謝したいです」

と話している。