のん、片渕須直監督からのさりげないプレッシャー明かす
女優ののんが9日、都内で行われた映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』スペシャルライブ付き特別試写会に出席し、片渕須直監督からさりげなくプレッシャーを受けていたことを明かした。イベントには主題歌を担当したコトリンゴ、サックス奏者の副田整歩も参加した。
こうの史代の原作をアニメ映画化した大ヒット作『この世界の片隅に』(2016)に、さらに約30分の新たな場面を追加した本作。のんが声を演じるすずや、その夫・周作、遊女・リンらの心の奥底に潜むさまざまな思いを紡ぐ。
『この世界の片隅に』の収録が行われていた2016年の時点で、片渕監督から『さらにいくつもの』の構想を聞かされていたというのん。「すぐに収録をしなくては……」と思っていたが、なかなか話が進まず「監督が忙しいからなくなってしまったのかな」と思っていた時期もあったという。そのため、再度作品が動き出すことを知ると「すごくうれしくて、どんなシーンが加わるんだろうとワクワクしていました」と製作過程の気持ちを明かしていた。
収録が始まると、のんは(周作の声を担当した)細谷佳正の収録が終わったばかりの片渕監督から「周作さん、新しい球投げていますよ。気合いを入れてね」とさりげなくプレッシャーをかけられたという。しかし、収録を重ねるうちに「前作とは違うセリフの響きがあったり、同じシーンでも違う意味合いに感じたり」とさまざまな感情が渦巻いてきたようで「すごい作品になっています」と出来に自信をのぞかせていた。
イベントでは、コトリンゴが「悲しくてやりきれない」と「試験栽培」の2曲を披露。真剣なまなざしで聴き入っていたのんは「最高でした。何度も鳥肌が立って、このまま余韻に浸って、一緒に映画を観たいぐらい」と大絶賛。映画はまだ完成しておらず、この日も片渕監督が作業をしているというが「今回新たに加わったシーンが、前作と影響し合って、新しい作品が誕生します」と20日の映画公開に向けて期待をあおっていた。(磯部正和)
映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は12月20日より全国公開