職場の若者のSNS的な処世術「セルフツッコミディフェンス」とは

写真拡大 (全2枚)

 いつの世もオトナたちにとって「最近の若いやつ」はよくわからないものですが、近年ますます若者の採用やマネジメントは難しくなっています。

【関連記事】令和を生きる女性のシゴト観を考える。男性に求めるのは「3高」から「4低」へ?!

・パワハラが気になって指導しにくい。
・じっくり話したいけど飲みに誘っていいかわからない。
・何がモチベーションかわからない。
・優秀な人ほど急に辞めてしまう。

職場のオトナたちからは、こんな悩みの声が尽きません。

最近の若者たちは、いったい何が不満で、何を望んでいるのでしょうか?

本企画では、ツナグ働き方研究所所長・平賀の著書『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』から、若者の職場での生態を表す20のキーワードを紹介。彼らの労働観や仕事に対する考え方を解き明かしていきます。

あなたの職場の若者は、どのキーワードに当てはまるでしょうか!?

ウザいと思われたくない!先回りして予防線を張る

インスタグラムを見ていると、こんな投稿が見つかります。

写真は『映える』旅先で撮られた女の子グループのキラキラしたセルフィ。いくつも並べられたハッシュタグの中には「♯リア充アピール」の文字。えっ? 自分でリア充って言っちゃうんだ……と一瞬たじろぎますが、これには理由があるのです。実は、友達から「うわ。リア充アピールしてるよ」と言われないように、先回りして予防線を張っているんです。

若者たちは、自分の一挙手一投足が他人に見られている意識を強く持っています。「友達が見たらどう思うか」を常に考えてしまうのです。

うかつに投稿して「出た、リア充アピール」「意識高い(笑)」「人と違う自慢、ウザい」などと思われたらショック。思われるだけでなく書き込まれたら致命的です。今まで仲間うちで仲よくやっていたのが、たったひとつの投稿によって仲間外れにされてしまう。まさにSNS村八分の恐怖。だからこそ、一見よくわからない、そしてある意味で非常に高度なセルフツッコミ的防御術を身につけるようになったのです。

「先回りして予防線を張る」というSNS的な処世術は、職場のリアルコミュニケーションにも現れます。ありがちなのが「自分、実は承認欲求強めなんで」というセリフ。これには、自分のやった仕事に対してちゃんと褒めてほしい。だけどあまりに「褒めて褒めてオーラ」が出すぎているのもイケてない、という思考が働いています。

若者の過剰なほどの自己防衛本能は、オトナからすると、理解しにくいかもしれません。

[文:ツナグ働き方研究所]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

平賀充記(ひらが・あつのり)

ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナググループ・ホールディングス エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)、『パート・アルバイトの応募が殺到!神採用メソッド』(かんき出版)、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)。