「無趣味の社会人は死ぬぞ」というスレ主に共感の声 「会社員で無趣味だと楽しみのない人生に絶望する」という人も
みなさん、趣味はお持ちだろうか。僕は一応、怪獣人形を集めることに、それなりに時間とお金を投じている。旅行が趣味という方もいる。車が趣味という方だっているはずだ。なんにせよ、趣味があるというのは悪いことじゃない。ストレス発散にもなるし、自分の好きな世界を掘り下げることは、人生を有意義に感じさせてくれる。
特に、社会人になれば、いろいろとつらいこと、面倒なことに直面する機会も多い。そういう時、現実から目を背けるという意味でも、趣味の存在は重要になるはず。でも、その趣味がそもそもない、という場合はちょっとつらいかも……。(文:松本ミゾレ)
「仕事のほうが楽しい」というスレ主
先日、5ちゃんねるに「お前ら『社会人で無趣味は死ぬぞ』去年俺『まさかあw』」というスレッドが立っていた。スレ主は現在、趣味らしい趣味を持てないままでいるようで、「趣味は書き込みです、でいいじゃん」というコメントに対しても「最近虚無感が」と返答している。
また、「仕事のほうが楽しい」とも書き込んでいる。仕事が楽しいというのは結構なことだと思うけど、無趣味には無趣味なりの苦悩もあるのだと気付かせてくれる。
でも、このスレ主なんてまだ良いほうで、世間には仕事にも身が入らず、趣味もないという社会人もきっといることだろう。そういう方々って本当に毎日が味気なく、刺激もなく、フラストレーションが蓄積しまくっているんじゃないだろうか。
実際スレッドを見ていくと、その手の方々のものと思しき意見がある。
「やりたい事はいっぱいあるがやる気がない。土日は平日で擦り切れたメンタルと体力回復させるので精一杯。家から出る気すら起きない」
「ぼっちだと何やってもどこ行っても人目ばかり気になって楽しくない」
「趣味とか友達、恋人いないのにイキれたのは学生までだわ。会社員になると変化と楽しみのない人生を数十年過ごすってのを実感するようになり絶望する」
こんな具合に、趣味を持たないだけが原因ではないだろうけど、とにかく現状これという趣味がないことでつまらない日常を送っている人が存在していることが分かる。もちろん、こういう人というのは、全体で言えば、レアケースだろうとは思うけど。
「とりあえず趣味作っておけ」というアドバイスは届かない
で、このスレッドではスレ主に対して「あれやれ」「これしてみろ」みたいな感じで、自分の楽しんでいることをオススメしてくれる優しい人が多い。だけど、いかんせんスレ主が無気力なので終始「あ〜、うん」みたいなリアクションになる。
そして、とうとうスレッドにも戻ってこなくなってしまった始末である。でも、これってよく分かる気がする。
趣味がない人間に「じゃあ、これやってみ」みたいにオススメしても、なかなか響いてくれない光景は何度も見てきた。僕だって、サラリーマンやってた頃は時間的にも精神的にも余裕がなくて、趣味も中断していたし。そのくせ、世間は「何か趣味ぐらい持とうよ」としばしば急かしてくる。
そうやって急かされているうちに、だんだん「ああ、何か趣味持たないとヤバいのかもな」とは思えてくるが、それで趣味を見つけようとしたって上手くいくことはない。
それに、なんかこう、社会人の趣味って選択科目的な部分もある。会社の中で流行っていることを「あんたもやってよ」と言われて渋々選ぶ、みたいな。そういう経験を一度でもしちゃうと、なおさら趣味に対して妙なフィルターがかかってしまい、消極的になるのかもしれない。たとえば、今回引用したスレッドのスレ主みたいに。
というか、そうでなくても趣味への熱量ってやっぱり年齢を重ねるうちに下降線をたどるもの。これはどんな趣味人にも共通するはずだ。僕も今の趣味に対してのこだわりの基準というか、目線はどんどん下がっている。
若いうちから「これだ」という趣味が早々に見い出せていれば、その熱量の低下にも上手く対応できるんだろう。だけど、もう既に社会人として世に出て、何年も経ってたら、今さら趣味とかに入れ込むなんて結構難しい話だ。
20代はまだしも、30、40代から心機一転新しい趣味に打ち込もうと考えて、それを実行できる人なんてそう多くはいないはずだ。ちょっぴり嫌な書き方になるけど、社会人になる前に趣味らしい趣味を持ってなかった人って、元々そっち方面への熱量が乏しかったわけだろうから、以降の飛躍とかは望めないんじゃないだろうか。