最低でも各季節の変わり目には一度点検する必要あり

 クルマというのは時間が経てば経つほど、そして走行距離が延びれば延びるほど、部品が劣化し消耗していくもの。そのため道路運送車両法により、ユーザーの定期的な点検を義務付けられている(第47条の2)。そうした義務云々を抜きにしても、肝心な時に思わぬトラブルに見舞われないよう、日常点検はユーザー自身でやっておきたいところ。

 それは、メンテナンスフリー化が進んでいる最新のクルマでも事情は変わらない。とくにエンジンルームの場合、消耗品も多く早期発見で防げるトラブルも多いので、最低でも各季節の変わり目には一度点検しておこう。具体的なチェックポイントは下記のとおり。

1)ウインドウォッシャー液の量

 ウインドウォッシャーは使えば減る。なくなると意外に不便なので、残量が3分の1以下になっていたら補充しておきたい。とくに冬場、雪道を走るときには出番が増えるので、凍結防止対策に濃度を濃い目にしたウォッシャー液を入れておこう。冬季以外でも水道水だけだと水が腐敗する可能性があるので、専用のウォッシャー液を希釈して使うのがベスト。

2)冷却水の量

 エンジン(冷却水)が冷えている時に、リザーバータンク内の液面が、上限(FULL)と下限(LOW)の間にあるかを確認。通常滅多に減ることがないので、減りが早く感じられたり、LOWレベルより低くなっていたときはどこかで冷却水が漏れている可能性があるので、整備工場へ持って行こう。

エンジンオイルと冷却水のチェックはとくに重要!

3)エンジンオイルの量と汚れ

 いまのクルマは冷却水とオイルさえきちんと入っていれば、そうそう大きなトラブルは出ない。逆にオイルと冷却水だけは非常に重要とも言える。オイルの量に関しては、運転席からメーターで確認できる車種もあるが、汚れ具合は目視でチェック。走行距離が短くても1年ごとには交換したい。

4)ブレーキフルードの量

 いうまでもなくブレーキは非常に重要な部分。システムが正常でもブレーキパッドが減ると、ブレーキフルードの液面も下がるので、ブレーキの減り具合がある程度わかる。フルードの液面が上限(MAX)と下限(MIN)の間にあればOK。新品のフルードは無色透明だが、茶色っぽくなってきたらかなり劣化している証拠。早めにフルードの交換を。

 また、フルードの減りが妙に早い場合は、ブレーキ系統のどこかでフルードが漏れている可能性があるので、整備工場へ直行!

5)バッテリー

 いまのバッテリーはメンテナンスフリーが主流。その代わり、ある日突然寿命を迎える……。バッテリーに厳しい季節=夏と冬の前には、カー用品店やディーラーなどで、専用のテスターを使って一度バッテリーの健康状態を調べておくと安心だ(無料)。できればターミナルの緩みの有無なども見ておこう。

 その他、ベルト類などの張り具合や異音のチェック、オイルや冷却水などの漏れがないかの確認、異臭などがないかも合わせて点検しておきたいところ。とくにウォッシャー液やエンジンオイル、バッテリーなどは、最新のクルマでもそうでないクルマでも、使えば減るし傷むもの。

 これらはやはり放ったらかしにせずに、最低でも季節ごと、できればひと月に一度はボンネットを開けて、一通り目視で点検しておくことを忘れずに。