サラゴサでは継続的に出場を続け、充実した日々を送る香川。そんなサムライ戦士のスペイン行きを後押ししたのは……。 (C) Rafa HUERTA

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 香川真司のスペイン2部への挑戦を後押ししたのは、一人のJリーガーだったようだ。

 今年8月にプリメーラ(1部)昇格を目標に掲げる古豪レアル・サラゴサとの2年契約を締結した香川真司。入団会見で、「自分の決断に満足しているし、必ず1部に昇格させたい」と語った表情からは、自身の長年の夢であったスペイン挑戦を叶えたことへの安堵を感じさせた。

 当時の香川に1部リーグに属するクラブからのオファーがなかったわけではない。実際、ベジクタシュとの延長契約やドイツ・ブンデスリーガの複数クラブとの交渉が連日のように報じられていた。

 しかし香川は、2部であろうとも、キャリアの夢であったスペイン挑戦を叶える決意を固めていた。現地時間11月1日に公開された地元紙『Heraldo』のインタビューで、サラゴサ移籍の決め手となった"要因"を明かした。

「僕の一番の目標は新しいチャレンジを始めるためにスペインに来ることだった。そこでレアル・サラゴサに加入するチャンスが舞い込んできたので、僕はオファーを受け入れた。他のチームからも十分なオファーは届いていたけど、ここ(スペイン)に来ることが僕のモチベーションになり、サラリーなどの経済的なことよりも、ここに来ることを優先した」

 金銭面よりも自身の夢を追い求めた香川だが、オファーを貰った当初は「バルセロナやマドリーほど知らなかった」という。そんな彼の背中を押したのは、2015年7月から半年間だけサラゴサでプレーしていた長谷川アーリアジャスール(現名古屋グランパス)だった。

 香川は、日本代表でもプレーしてことがあるかつてのチームメイトとのやりとりについて、こう語っている。

「僕は15歳の時からアーリアを知っていて、彼がここでの経験についていろいろと教えてくれた。僕は彼のおかげで、このクラブや環境がどのようなものであるかを考えられた」

 長谷川のアドバイスを受け、サラゴサへの思いを強くしたという香川。「いまは少しずつ慣れていっている。スペイン語でのコミュニケーションも改善しないといけない」と課題を口にしたが、「全てが完璧。とても素晴らしい場所だと思っている」とスペイン挑戦の決断が間違っていなかったことを強調した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部