豆花専門店「騒豆花(Sao Dou Hua/サオドウファ)」リリースより(2018年7月、新宿ミーロードに上陸)
 2013年に台湾のタピオカミルクティー専門店、『春水堂』が日本に初上陸したことをきっかけに加熱したタピオカ。日本では三度目の流行ということもあり、巷では“第三次タピオカブーム”などとも言われていますが、いよいよブームも折り返し地点に来ているのではないでしょうか。

 ここで、タピオカの次に来るスイーツはどのようなものが考えられるか、ぐるなびのエディトリアルプロデューサー・松尾大さんに話を聞きました。

◆タピオカブームは異例。どうして長引いてるの?

「正直なところ、タピオカの対抗馬となりうるほど強力なアイテムは今のところは出ているとは言えません。ほぼ毎年のように流行が変化するスイーツのなかで、タピオカブームがこんなにも長引いているのは、珍しいと言えると思います。

 ブームが長引いた理由の一つとしては、やはり食感です。日本人は昔から『食感を意識する』と言われますが、タピオカの弾力感が上手くはまったのでしょう。そしてもう一つには、名前も関係しているかもしれません。

 実は、流行するものって、覚えやすい名前だったり語感がよかったりするものです。“タピオカ”って、言葉に出してもなんとなく可愛らしいですし、収まりの良い響きですよね。これも無関係だとは言えないと思っています」(松尾さん・以下同)

“タピオカの次はまだない”…。なんとも、早々に出端(ではな)をくじかれる衝撃発言。しかし、ここで企画倒れしては元も子もないと食い下がり「次に流行りそうな兆しを見せているスイーツ」をいくつか挙げてもらいました。

◆次に来るのも“台湾発祥”のスイーツ

「最も考えられるのは、台湾発祥のスイーツです。最近では国内で台湾人気が高まっており、これからのスイーツブームの主役になる可能性が高いでしょう。たとえば、『トーファ』『チーズティ』『フルーツティ』などは次に来るかもしれません」

 トーファは漢字で書くと「豆花」。豆乳をにがりなどで固めたものに、シロップなどをトッピングしたスイーツです。柔らかい甘さのある味わいで、美容と健康にも良いことから台湾でヘルシースイーツとして人気があるそうです。

 チーズティは緑茶や烏龍茶などのお茶をベースに、クリームチーズを乗せたもの。台湾の屋台が発祥とされていて、2012年に中国・広東省のチーズティー専門店「喜茶」が火付け役となってブームになったのだとか。

 最後にフルーツティ。こちらも同様に、中国茶をベースにフルーツを加えたもので「水果茶」と呼ばれています。

 この中でも、チーズティは今年に入ってからぐるなびの検索件数が10倍超に増加しているのだとか。

「最近の流行は『欲望にストレートなもの』と『ヘルシーなもの』の2つからうまれると考えられます。そういう意味では“チーズ”は高カロリーで『欲望にストレート』、“豆腐”は『ヘルシー』な食材ですよね。流行の特徴を、これらがしっかりカバーしていることも興味深いです」

◆国内に広がる台湾ブーム

 こうした近年の台湾スイーツブームのきっかけは、やはり、台湾旅行が身近になったことが大きいでしょう。リクルートライフスタイルの調査によれば、台湾は海外旅行ランキング5年連続一位。日本人旅行客数は2010年から増加傾向で、2018年には196万人(台湾政府統計)に上ります。

 また最近では、2019年9月27日にグランドオープンする商業施設「COREDO室町テラス」に、台湾の百貨店ブランドである「誠品生活」がメインテナントとして出店予定であるなど、旅行にとどまらず、日本国内でも「リアルな台湾を体験する」動きが広がっています。

「タピオカミルクティーも、おそらく旅行であじわった“本物”の味を日本でも飲みたくなったのでしょう。そして旅行客が増えたことで、台湾がより身近になり、関連した流行が生まれやすくなっているのかもしれませんね」

◆終わらないタピオカ人気。"進化系"も

 とはいえやはり、今のところの人気はタピオカ一強。最近では「タピオカビールやタピオカラーメンなど、“進化系”ともいえるグルメも急増」しているそうです。

 東京や神奈川、千葉などに展開するビアカフェ「iBEER SUN PALM」ではビールにフルーツシロップとタピオカを添えた『タピオカ・ザ・ネクストタピオカビール』を販売。また、大阪・梅田を中心に展開する「カラーズ」では季節のデザートとしてタピオカかき氷が展開中など、様々なメニューに幅を広げているようです。

 また、7月23日にはドトールでも「タピオカ〜黒糖ミルク〜」と「タピオカ〜ロイヤルミルクティー〜」(各450円)が販売開始。ついにはタピオカのイベント「東京タピオカランド」(東京・原宿)までもが登場し、なんと前売り券が即日完売するなど、勢いはとどまるところを知りません。かつてブームを超えて定番メニューに躍進したティラミスのように、タピオカも定番メニューとして浸透していくのでしょうか。今後のスイーツ市場から目が離せません。
<取材・文/モチヅキサトシ>