アメリカ政府、「LGBTQも婚外子を妊娠している人も解雇していい」
問題となっているのは現地時間8月14日(水)にアメリカ労働省が発表した規則。報道によると「政府の業務を請け負う業者はLGBTQの従業員、もしくは結婚せずに妊娠している従業員を宗教的な価値観に基づいて解雇してよい」と定めている。つまりLGBTQや婚姻外の性交渉を認めない宗教的価値観を持つ雇用主が、それらの場合に当てはまる従業員を自由に解雇できるということになる。アメリカ自由人権協会(ACLU)は「これは宗教の名の下に税金で賄われる差別だ」と非難、「この規則は我々の市民としての権利を侵害するものであり、職場での差別を後押しするものだ。我々はこれを止めるために活動する」とコメントしている。
労働省は契約遵守プログラムを実施し、政府の業務を請け負う業者が労働者を差別することを禁止している。でも今回の規則は「連邦法で決められている信仰の自由と連動したもの」「信仰を持つ雇用主の市民権を守るためのものだ」と説明している。ホワイトハウスは「この規則はドナルド・トランプ大統領のLGBTQコミュニティに対する支持や公約を破るものではない。宗教の自由を保護し、LGBTQコミュニティを差別から守るものだ」と声明を発表している。
この規則が実施されれば、ACLUが指摘するように宗教を理由に自分とは異なる性的志向や性的な価値観を持つ人を解雇する事例が多発する可能性が高い。これから30日間、市民たちから意見を募るプロセスに入る。どのような議論が繰り広げられるのか注目したい。