元ブラジル代表FWロナウド【写真:Getty Images】

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日韓W杯決勝でドイツと激突する前夜、「僕はただ眠れなくなっていたんだ」と回想

 元ブラジル代表FWロナウドは「フェノーメノ」(怪物)の異名を取るほどの決定力を誇り、クラブとブラジル代表で数々の栄光に彩られてきた。

 そのうちの一つに、横浜国際総合競技場で開催された2002年日韓ワールドカップ(W杯)優勝があるが、決勝前夜に“4年前の悪夢”に怯えていた秘話を明かしたという。

 スペイン紙「マルカ」などが英紙「フィナンシャル・タイムス」でロナウドがインタビューを受けたと伝えている。そのインタビューの中で語っているのは日韓W杯決勝についてだ。ルイス・フィリペ・スコラーリ監督率いるブラジル代表は、FWロナウジーニョ、FWリバウド、ロナウドの通称“3R”の攻撃陣が猛威を振るい、一気に決勝まで駆け上がった。

 そして迎えたドイツとの決勝戦前日、ロナウドは決戦への楽しみよりも恐怖を覚えていたのだという。

「横浜での決勝を前にして、僕はただ眠れなくなっていたんだ。“あれ”がまた起こるかもしれない、ってね」

 ロナウドが不安を持っていたのには、理由がある。それは1998年フランスW杯でのことだ。ブラジルは決勝に進出したが、その前日に病院搬送されるアクシデントが起きた。試合こそ出場したものの本調子とは程遠い出来でフランス相手に敗戦を喫し、その理由については世界中を騒がせることになった。

過去の悪夢がオーバーラップするなか、ロナウドに寄り添ってくれた選手とは?

「人々は陰謀を好むけど、いたるところで過剰になっている。その日(98年決勝)はベストの試合じゃなかったけど、走ったし戦ったよ」と語るロナウド。その悪夢がオーバーラップするなかで心のよりどころになった選手がいたという。

「僕は話ができるヤツを探して、ジーダを見つけたんだ。控えGKのね。僕は彼に対して『一緒にいていいかい?』と聞いたんだ。するとジーダはその夜中、一緒にいてくれたんだ」

 睡眠不足で臨んだというロナウドだったが、決勝ではこの日唯一となるゴールを叩き込み、母国に史上5度目の世界一をもたらしている。当時最強のゴールハンターが大一番でリベンジを果たせたのは、ジーダという守護神の存在があったからこそだったのかもしれない。(Football ZONE web編集部)