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 川崎フロンターレは25日、桐蔭横浜大のMFイサカ・ゼイン(4年=桐光学園高)の入団内定を発表した。今オフには千葉のキャンプなどにも参加したが、正式オファーには至らず。そんな中でのJ1王者である川崎Fからのオファーだったこともあり、返事はほぼ即決だったという。

 ガーナ人の父と日本人の母を持つイサカは、2002年の日韓ワールドカップを見た母の勧めでサッカーを始めた。幼少期から「他のスポーツはやったことがない」というほどサッカーにのめり込み、高校、大学と常にサッカー最優先の生活を送ってきた。

 常に刺激を与えてくれる存在が身近にいた。桐光学園時代はジュビロ磐田に進んだFW小川航基と同学年。「ライバルと思ったことはない」というが、「彼が活躍することで刺激になっている。SNSで彼の活躍が回ってくると、もっと頑張らないとと奮い立たせてくれる存在」。また今回の入団内定についてはまだ直接話し合っていないというが、「追いつき追い越していけるように、まずは自分が頑張るだけ。マッチアップしたい」と目を輝かせる。

 そして川崎Fでは、すでに入団内定を決めているMF三笘薫(筑波大)、FW旗手怜央(順天堂大)と同期になる。最近では全日本大学選抜の活動でともにプレーする機会も多く、川崎Fのオファーが届いてからは2人に相談していたという。そんな2人の声は揃って「川崎なら成長できる」。イサカも練習に参加した際に「ここなら自分がなりたいようなプレーヤーになれるんじゃないかという期待感を感じた」といい、2人の声はこれ以上ない後押しになった。

「高校を卒業した時に大学を卒業するときにプロに行くと誓ってこの大学に来た。プロ入りが叶わないと思ったこと?それはたくさんありました。でもそうした中でも自分を評価して下さったことは感謝していますし、だからこそもっともっとレベルアップしていかないといけない。ポジションも言われたところでやりたい。サイドハーフがメインですが、言われればサイドバックにも挑戦したいです」

 来年に開催が迫る東京オリンピックについても「諦めたくない」と力強く話す。イサカは全日本大学選抜の一員として16日に行われたU-20日本代表との練習試合、そして24日に行われたU-20全日本大学選抜候補との練習試合でともに得点を記録。いずれの試合も森保一監督は視察に訪れており、目の前でのアピールに成功している。

 ただ目標は日本を代表する選手だが、「自分は一つひとつの目の前の目標をクリアしてきたタイプ」と冷静に自身を分析する。冷静さは大学に進学したことでものにした武器。これからも驕ることなく、臆することなく、日々の自分と向き合っていく。

●イサカ・ゼイン

1997年5月29日生まれ。東京都町田市出身。小中と町田JFCでプレーし、桐光学園高に進学。全国高校選手権などで活躍し、日本高校選抜にも選ばれた。桐蔭横浜大進学後は、1年時よりリーグ戦に出場。18年には関東B・北信越選抜の一員としてデンソーカップチャレンジを優勝した。174cm。75kg。ガーナ人の父と日本人の母、1歳下の妹がいる。実家からは「大学に来るのも、川崎Fの練習場(麻生グラウンド)に行くのも同じくらい」と喜ぶ。