「凸版文久体」ファミリー
(c) Toppan Printing Co., Ltd.

凸版印刷株式会社は、2013年からオリジナル書体「凸版文久体」のライセンスを開発/提供している。そのファミリーの全ラインナップで、Adobe社の「Adobe Creative Cloud」に付帯するフォントサービス「Adobe Fonts」へのライセンス提供が開始された。これにより、「Creative Cloud」を導入するユーザーは、気軽に「凸版文久体」の利用が可能となっている。

「凸版文久体」は、「築地体」を源流として1956年に誕生した自社のオリジナル書体を改刻し、将来の印刷とスクリーンでの表示用書体の方向性を見据えた“次世代を支える書体”として開発されたもの。「築地体」とは、明治時代の東京築地活版製造所の明朝体活字で、日本の明朝体活字の源流の1つだ。これまで「凸版文久体」の利用環境は、macOSやモリサワ製品などに限定されていた。今回の「Adobe Fonts」へのライセンス提供で、Windows環境なども含めてより広い環境で利用できるようになる。

「凸版文久体」の特徴は、小さな文字でも読みやすく、明るくすっきりとした形。ひらがなの“さ”や“き”の2画目と3画目の線が離れていることをはじめ、日常で手で書く文字の形に近い親しみやすさを備えており、見やすさと読みやすさが演出されている。ゴシック体では横組みの可読性を第一に考えてデザイン。特に使用頻度が高い仮名には、明朝体のように筆の入りの“でっぱり”も左側に付けられ、自然で読みやすい文字の流れが実現された。Webサイトのような横組みでの情報表現に適している。

提供書体の内訳は、「凸版文久明朝 Pr6N R」「凸版文久ゴシック Pr6N R」「凸版文久ゴシック Pr6N DB」「凸版文久見出し明朝 Std EB」「凸版文久見出し明朝 StdN EB」「凸版文久見出しゴシック Std EB」「凸版文久見出しゴシック StdN EB」。Pro書体の3種類はAdobe-Japan1-6準拠で、他4種はAdobe-Japan1-3準拠の仕様となっている。

なお、凸版印刷株式会社は2019年4月10日(水)の“フォントの日”に19:00から放送されるAdobe主催のライブストリーミングイベント「フォントの日2019:CC道場スペシャル番組」で、この「凸版文久体」の紹介を行う予定(視聴URL:https://blogs.adobe.com/japan/creativecloud/ccdojo/)。



平仮名の“さ”や“き”に代表されるデザインの特徴
(c) Toppan Printing Co., Ltd.



「凸版文久体」のゴシック体での特徴
(c) Toppan Printing Co., Ltd.

凸版印刷株式会社
URL:https://www.toppan.co.jp/
2019/04/10