台湾のホラーゲームに登場し、中国のネット上で問題視されているお札 =ゲームの画面より

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(台北 24日 中央社)台湾のホラーゲームに登場する黄色いお札の朱印の文字が「くまのプーさん習近平」となっているとして、「中国の習近平氏を侮辱している」「台湾独立支持のゲーム」などの批判の声が中国のインターネット上で上がっている。同ゲームの中国の発行元は23日、台湾の開発元との提携を打ち切ると発表した。

今月19日にリリースされた台湾のホラーゲーム「還願」。戒厳令下の台湾を題材にして注目を集めた「返校」を開発したレッド・キャンドル・ゲームズ(赤燭遊戲)の新作で、ゲームの実況プラットフォームで最大10万人の視聴者を集めるなどリリース直後から話題を呼んでいた。

お札には「習近平小熊維尼(習近平くまのプーさん)」と篆書(てんしょ)体で書かれた朱印が押されていたほか、人をののしるスラングと同じ発音の文字が並べられていた。中国の交流サイト「微博(ウェイボー)」では同ゲームに関する投稿の検閲がすでに開始されており、「#還願」のハッシュタグが削除されたり、関連する投稿が見られなくなったりしているという。

レッド・キャンドル・ゲームズは23日、フェイスブックに謝罪文を掲載。「制作過程で、当時のネット用語を一時的な素材として使用することがよくある」とし、今回は手違いで削除されていなかったと説明。「攻撃や侮辱の意図はない」などと釈明した。21日にバージョンを更新し、指摘を受けた箇所について修正を行ったとしている。

行政院(内閣)の陳其邁副院長は、同ゲームには台湾の伝統的な慣習や日常生活などの要素が取り入れられていることに言及し、「台湾独特のホラーを作り上げた」とコメント。台湾発のゲームと創作の自由を支持する考えを表明した。

(葉素萍/編集:楊千慧)