井上尚弥【写真:Getty Images】

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ようやく決まった準決勝も不透明な部分を残すと米報道

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝でWBA世界王者・井上尚弥(大橋)は5月18日にスコットランド・グラスゴーでIBF世界王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と戦うことを主催者側が公式発表した。ようやく決まったWBSSのセミファイナル。しかし、まだ正式に開催されるかどうか、不透明な部分があるという。米メディアが伝えている。

 正式発表を受け、米スポーツ専門局「ESPN」電子版で、ボクシング界の名物記者ダン・ラファエル氏が「エマヌエル・ロドリゲス対ナオヤ・イノウエ戦は5月18日の予定」と題した記事を展開している。

「ワールドボクシング・スーパーシリーズは火曜日、エマヌエル・ロドリゲスとナオヤ“モンスター”イノウエのバンタム級準決勝は5月18日にスコットランド、グラスゴーのSSEハイドロで開催されると発表した。しかし、この対戦が同日、もしくはこの開催地で行われるかは現時点ではまだ分からない」

 記事では、ロドリゲス対井上戦、そして同日に行われる予定のWBSSスーパーライト級の準決勝イバン・バランチェク(ベラルーシ)対ジョシュ・テイラー(英国)戦と合わせ、興行の目玉であることも伝えている。

 だが、同記者はスーパーライト級のカードにおいて見逃せない点があると指摘している。

大会自体の金銭面などにも不安が

「2週間前、バランチェクのマネジャーであるデイブ・マクウォーターは、バランチェクがトーナメントから撤退することをESPNに伝えていた。翌日、バランチェクの撤退にも関わらずWBSSはバランチェク対タイラー戦が5月18日にグラスゴーで行われることを発表した」

 バランチェク陣営はWBSSから撤退の意思を伝えていたが、それを振り切る形で主催者側は発表に踏み切ったという。

「バランチェクは金銭的な問題、大会側とのコミュニケーション不足やグラスゴーでの試合を強いられることが要因となって撤退したと、マクウォーターは語っていた」と同記者は説明。さらにトーナメント自体が財源や、ファイターへの報酬など様々な問題を抱えていることも伝えている。

「そのため、準決勝は最低でも4月から6月頃まで延期となった。この問題があるにも関わらず、ロドリゲス対イノウエ戦は正式に発表された」

 WBSSスーパーライト級の開催には不透明な点が多いだけに、バンタム級にもその余波が及ぶ可能性がある。ファンが待望するカードがようやく決まっただけに、すんなりと開催にこぎつけられることを祈るばかりだ。(THE ANSWER編集部)