鹿島アントラーズGKクォン・スンテ【写真:Getty Images】

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鹿島GKクォン・スンテが水原三星FWイム・サンヒョプを蹴り、直後に頭突きで警告

 J1鹿島アントラーズの元韓国代表GKクォン・スンテが起こした行動を巡り、母国で様々な議論が勃発している。

 3日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦、水原三星(韓国)戦で3-2と逆転勝利を収めたなか、鹿島GKクォン・スンテが水原三星FWに頭突きを行い警告を受けたが、韓国紙「スポーツ朝鮮」は「水原三星ファンが激怒」「反日感情が高まっている」と波紋が広がり続ける様子を伝えた。

 試合は前半2分、鹿島がオウンゴールで失点。さらに同6分、左サイドからボールを奪われ、FWデヤン・ダムヤノビッチに追加点を許した。一方の鹿島は同21分、MFセルジーニョのクロスにFW鈴木優磨が飛び込み、相手のオウンゴールを誘発。1-2で迎えた後半39分にMFセルジーニョの同点弾で追いつき、アディショナルタイム3分にこぼれ球を元日本代表DF内田篤人が流し込んで鹿島が3-2と劇的な逆転勝利を収めた。

 注目を浴びたのは前半44分のシーンだ。水原三星が右サイドからクロスを入れ、鹿島のゴール前で混戦となった。相手のシュートをDF内田とGKクォン・スンテがゴールライン上で阻止し、こぼれ球を巡ってクォン・スンテと相手が接触。GKへのファウルで鹿島ボールの判定となったが、直後に鹿島の守護神が憤怒し、水原三星FWイム・サンヒョプに蹴りを入れ、主審の前で相手FWに頭突きを試みた。一触即発の状況となり、最終的にクォン・スンテが警告を受けている。

 韓国紙「スポーツ朝鮮」は、「状況だけ見れば、レッドカードでもおかしくない場面だった。2006年ドイツ・ワールドカップ(W杯)決勝当時、フランスのジダンもイタリアのマテラッツィに頭突きして退場した」と指摘。ドイツW杯決勝の延長戦で、フランス代表MFジネディーヌ・ジダンがイタリア代表DFマルコ・マテラッツィに頭突きをお見舞いし、一発退場になった例を引き合いに出している。


水原三星ファンが同胞GKの行為を非難 「アジアサッカー連盟に必ず抗議しなければ」

 記事では「クォン・スンテの行動が日本の仲間たちの闘志に火をつけた」と綴り、逆転勝利の一つのきっかけになったと分析した。その一方で、水原三星のファンの反応も伝えている。

「水原三星のファンは激怒した。クラブのSNSを通じて『クラブはアジアサッカー連盟に必ず抗議しなければならない』、『ホームでは必ず勝つ』などの声を上げている」

 批判の声も強まるなか、続けて「一触即発。反日感情が高まっている」と言及。鹿島が3-2と先勝したなか、「両チームは24日、水原ワールドカップ競技場で運命の第2戦を繰り広げる。これまで以上に熱い対戦が予想される」と展望した。

 クォン・スンテの行為を巡る波紋は、今も広がり続けているようだ。


(Football ZONE web編集部)