日本各地にはそれぞれの街や地域の方々がこよなく愛し、磨き上げられてきた絶品グルメが必ず1つや2つ存在する。

しかしその絶品グルメは、ほとんどの場合地元の人にとっては「常識」や「当たり前」のため、その街や地域以外の人にはなかなか知られることがないのが、現状である。

例えば、愛知県・安城市にある「北京本店の北京飯」や広島県・広島市にある「陽気のラーメン」、石川県・金沢市にある「グリルオーツカのハントンライス」、新潟県・新潟市にある「みかづきのイタリアン」、大阪府・大阪市にある「かどやの豚足」、長野県・上田市にある「日昌亭の焼きそば」北海道・札幌市にある「だるまのジンギスカン」などなど、さまざまな美味しいグルメがキラボシのごとく日本各地に輝きを放って存在している。

今回はそんな絶品の地方グルメの中から、広島県が誇る一大うどんチェーン店「ちからのうどん」をご紹介したい。

・地元で圧倒的に愛されるうどんと和菓子のお店、それが「ちからのうどん」
広島といえばお好み焼きというイメージが強いため、多くの観光客や広島県外の人々はこちらのお店を知らない人の方が多いのではないだろうか。

実はこちらのお店、戦前である1935年(昭和10年)に広島市内に創業し、現在では広島市内を中心として31店舗を展開する一大うどんチェーン店。

1935年(昭和10年)と言えば、絹の代わりとして研究開発が続けられていたナイロンがデュポン社によって発明され、日本でもシャープや富士通、松下電器製作所など、多くの産業が勃興していた時代。

日本はこの10年後に終戦を迎える事になるのだが、広島に落とされた原爆にも負けず、終戦から僅か6年後の1951年(昭和26年)に現在の本店にほど近い場所で営業を始めた、まさに戦前・戦後の広島を支えたお店。

そんな、まさに力みなぎる美味しさを味わえるのが、「ちからのうどん」なのだ。

・オススメしたい「ちからのうどん」
こちらのお店、一度では選びきれないメニューがたくさん存在するため、初めてお店を訪れた場合、何をオーダーすればいいのか?迷ってしまうかもしれない。

もちろんどれも美味しいメニューであるため、心のおもむくままにオーダーする、というのもいいだろう。しかしながら、地元民が愛する味わいを堪能してみたい、そんな風に感じる方もいるかもしれない。

そんな方にオススメしたいのが、「あっさりきつね」だ。

「あっさりきつね」とは、この「ちからのうどん」のオリジナルメニュー。

通常きつねうどんと言えば、甘辛く炊かれた油揚げがトッピングされるのだが、こちらのあっさりキツネは京揚げと称される関西では一般的な、少し厚めに切った豆腐を揚げて作られた特製の油揚げ。

少し厚めに切った豆腐でつくっているため、油揚げの中に少し豆腐が残っており、食感も楽しめる。

そんな京揚げをあっさりとしたダシのみで仕上げてくれているのが、「あっさりきつね」なのだ。

しっかりと瀬戸内のイリコのダシが効いたツユはそれだけでも絶品。

その絶品のツユをたっぷりと含んだ京揚げは、非常にあっさりとしていながらも、奥行きのあるイリコの味わいを心ゆくまで堪能させてくれる、まさに日本人に産まれてよかった、そう思えるほどホッとする味わいに、感動すら覚えてしまう。

もちろんそれらを受け止めるうどんは、固すぎもせず、柔らかすぎもせず、絶妙の塩梅で仕上げられている。

そんな絶品のうどんが広島市内の31店舗でしっかりと味わえる、まさに驚愕と言っても過言ではないほどの提供力だ。

戦前から戦後、そして現在に至るまで、広島県民の胃袋を満たしてきたお店の1つ、「ちからのうどん」。

広島を旅行する場合には、地元のソウルフードの1つを味わう、そんな寄り道をしてみてもいいかもしれない。

きっとそこには、その土地に愛され、育まれてきた味わいが存在するに違いないのだ。

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お店 ちからのうどん
本店住所 広島県広島市中区鉄砲町9-5
営業時間  10:00〜21:00
定休日 年末年始・お盆・月曜が祝日になる場合休業
お店の公式ホームページ http://www.chikara.jp/index.php
※各店舗の情報は公式ページをご参照ください