ジャニー喜多川社長の「夢」東京五輪の開閉会式での演出の行方
「“鎮魂と再生”というのは、能や狂言という我々の芸能の重要な部分。その精神を復興五輪に生かすことは、非常に意味があるとチームの皆さんに賛同いただいております。何より上質な日本の精神にのっとったものにしたい」
'20年東京五輪・パラリンピックの開閉会式のチーフ・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに就任した野村萬斎。
「コンセプトをしたためている」と話すように、日本を、東京を表現するビジョンをすでに持っているようだ。
このやたらと長い肩書きのディレクター職は、世界からもっとも注目される開閉会式を統括する立場にあり、いわば東京五輪・パラリンピックのエンターテイメントにおける“顔”とも言える。
なかでも、'20年を“プロデュース人生の集大成”と考えていたという、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長は、この発表を忸怩(じくじ)たる思いで見ていたのかもしれない。
「ジャニーさんは、'13年に東京五輪の開催が決定すると同年末に舞台『JOHNNY'S 2020 WORLD』を立ち上げて、五輪を意識した演出を行ってきました。
さらに五輪組織委員会の森喜朗会長も帝国劇場に招待するなど、“ロビー活動”にも精を出していました。それほどに、自分が命を懸けてきたジャニーズを五輪の舞台で輝かせたかったのです」(芸能プロ関係者)
そんなジャニー社長が強い興味を抱いていた東京五輪・パラリンピック。'20年の象徴となるはずだったのが“秘蔵っ子”平野紫耀を擁するKing&Princeだったという。'15年に結成し、今年5月23日にデビューを果たした6人組の未来は明るかった。
「デビュー曲の『シンデレラガール』は、デビューシングルの初週売り上げは歴代2位の57万枚を記録。次代を担うグループとして、申し分のないスタートを切りました。
ジャニーさんとしても、東京五輪に携わるための計画通りのアピールだったと思います。しかし“あの騒動”は、そんな思惑を超える大ダメージを与えてしまったのでしょう」(芸能レポーター)
東京五輪に大ダメージを与えたあの男
“あの騒動”とは、4月下旬に発覚した、TOKIOの元メンバー・山口達也さんが起こした女子高生への強制わいせつ事件にほかならない。その後、責任をとってジャニーズ事務所を退所した山口さんだったが、信頼は一気に失われてしまったようだ。
「TOKIOは、東京五輪・パラリンピックのフラッグツアーアンバサダーとして、若い世代をも引っ張る役割を担っていただけに、騒動は重くのしかかったことでしょう。ジャニーズが五輪から遠のく一因だったとしても、何ら不思議なことではありません」(同・芸能レポーター)
さらにジャニーズグループNEWSの小山慶一郎と加藤シゲアキが、未成年への強制飲酒に関わっていたことが発覚。手越祐也もまた、未成年との飲酒疑惑を報じられてしまったのだ。
「これではジャニーさんが、いくら人気グループをプロデュースしたとしてもイメージを回復させるのは難しい。萬斎さんに取り入って、何とかジャニーズを開閉会式に関わらせたいのではないでしょうか。
若いスターの発掘と育成に夢中になりすぎて、既存グループへの指導を怠ったと言われても致し方ないのでは?」(同・芸能レポーター)
今、「鎮魂と再生」を切に願っているのは、ジャニーズ事務所なのかもしれない。