【MLB】大谷翔平、二刀流で異例の米“殿堂入り” キャップに続きヘルメットも寄贈へ
すでにキャップは殿堂で展示中「彼はメジャーの歴史でも極めて意義深い存在」
エンゼルスの大谷翔平投手はメジャー1年目の前半戦で指名打者として45試合に出場し、打率.283、7本塁打、22打点をマーク。投手としても、右肘靭帯損傷で離脱するまで、9試合に先発して4勝1敗、防御率3.10という好成績を残した。メジャーでも大きな注目を集めているが、ルーキーシーズンにして二刀流で異例の“殿堂入り”を果たすことが明らかになった。
ニューヨーク州のクーパーズタウンは米国野球殿堂がある街として有名だ。メジャーの歴史を彩ってきた記念のグラブやバットなどを納めているが、現在は二刀流のスーパースターからの贈り物を待っている。
それは大谷が打席で被っている赤いヘルメット。頭の小さい大谷が、ホームランを打った際にヘルメットを抑えるシーンは印象的だが、これがシーズン終了後に野球殿堂で展示される予定だという。
「ルーキーの用具が野球殿堂に展示されることはすごくレアですが、前例がないわけでもありません。例えばストラスバーグ。彼の場合は入団前から相当な話題を呼んでいたので、ルーキーシーズンから我々が募集を呼びかけました。しかし、大谷の場合はルーキー枠ではないのです」
こう語ったのは、ナショナルベースボール・ホールオブフェイムのジョン・シェスタコフスキー広報教育部門副社長だった。ルーキーの用具が展示されること自体が稀だが、MLBドラフト史上最高の選手という鳴り物入りでナショナルズに入団した豪腕スティーブン・ストラスバーグ投手の用具は、2010年のルーキーシーズンに殿堂入りしたという。
「大谷の場合はルーキーとしてではありません。NPBでの実績からでもない。理由は二刀流。彼はメジャーの歴史でも極めて意義深い存在なのです」
ヘルメットは「壊れるか、新しいものを使うタイミングでお願いしてます」
ベーブ・ルース以来、約100年ぶりの二刀流として全米メディアの注目を集めている大谷。投手としての第一歩の“証拠”はすでに野球殿堂に鎮座している。「投手としてデビューした試合のキャップは現在展示されています」。4月1日の敵地アスレチックス戦で着用した赤いキャップは現在、野球殿堂の「ホール・ニュー・ボールゲーム」というエキシビジョンのハイライトとなる最終ケース「現代野球」のコーナーで飾られている。そして、「打者・大谷」の象徴であるヘルメットもクーパーズタウンにやってくる。
シェスタコフスキー氏は「ヘルメットは年間通じて同じものを使います。壊れるか、新しいものを使うタイミングでお願いしています」と説明する。つまり、今季終了後に殿堂入りとなる可能性が高い。
日本人メジャーリーガーの用具はクーパーズタウンで人気を博している。「日本人選手の用具は数多く集まっています。ムラカミ、ノモ、ササキ、イチロー……コウジのグラブもあるんですよ」。かつてレッドソックスの広報担当だったシェスタコフスキー氏は、今季巨人に復帰した上原浩治投手のグラブの存在も明かしている。数々の偉大な記録を打ち立ててきたマリナーズのイチロー外野手の展示品は多く、本人が殿堂に特別な思いを抱いていることも広く知られている。
豪快なバッティングとピッチングでメジャーファンを魅了している大谷はどんな成長曲線を描くのか。そして、将来は米国野球殿堂入りを果たすのか。今から楽しみで仕方ないが、キャップとヘルメットは一足先にクーパーズタウンでベースボールの歴史の一部となる。(Full-Count編集部)