オウム真理教・元信者が明かす施設での1日がこちら
北朝鮮などの潜入ライターとして活躍するニポポ氏が、4月18日放送の「ニポポのニコ論壇時評」にて、自身もオウム真理教よりサリン襲撃を受けた、弁護士の滝本太郎氏と、オウム真理教元信者の沢木晃氏とともに、オウム真理教での1日について言及。
「食べ物の菌が殺せないので美味しいパンが食べられない」といった厳しい食事制限や、「毎日24時から3時間礼拝を行う」といった習慣など、当時のオウム真理教のリアルな生活内容が明らかになりました。
左からニポポ氏、滝本太郎氏、沢木晃氏―関連記事―
地下鉄サリン事件で公安関係者が想定した最悪のシナリオ「日本は彼らの支配下に置かれる危険性があった」
「民主主義の対義語は沈黙である」地下鉄サリン事件後のオウム真理教ドキュメンタリーを、マスメディアの同調圧力に抗った堀潤が語る
【ザ・新興宗教】セックス教団『リトル・ペブル同宿会』潜入レポート。教団責任者が唱える″償いのセックス”に密着
オウム真理教の一日ニポポ:
当時のオウム信者さんがどういった生活をしてるのかを、沢木さんにグラフでまとめていただきましたので、まずはご覧いただこうかと。
沢木:
これは、事件当時の支部は「大体こんな感じだったかな」というのを無理やり思い出して作ってみました。
ニポポ:
なるほど。ありがとうございます。24時あたりに礼拝とあって。
滝本:
いろいろ歌があるんですよ。
ニポポ:
ありますよね。この辺でお歌を歌ったり、お祈りを捧げたりみたいな形なんですかね?
沢木:
♪〜ヴァジラヤーナ、ヴァジラヤーナ、ヴァジラヤーナ〜♪ というような歌もあるんですよ。
ニポポ:
このヴァジラヤーナっていうの、僕、元オウム真理教代表の上祐史浩さんとイベントでお話させていただいた時に初めて聞いたんですけど、このヴァジラヤーナっていうチベット歌謡の教えが伝わって、これが殺人といったものを肯定していくものになっていくんじゃないか、というような見解を持たれていたんですけど、どうですかね。
滝本:
上祐がそう言ってた?
ニポポ:
そうですね。
滝本:
私は教祖・麻原彰晃の生まれた家にも行ってきました。弟さんにも会ってきましたけど、彼がやりたいことに合う教えを探したんだというふうに思いますけどね。目的のためには手段を選ばない。剥ぎ取るぞ、剥ぎ取るぞ、剥ぎ取るぞとかね。94年がすごかったんですけど、目的のためには手段を選ばないぞ、手段を選ばないぞ、手段を選ばないぞ、ってやる。
ニポポ:
もうそれが教えとしてあるんですね。
滝本:
94年あたりは強烈でね。自分の好きなように、すべて何でもやってもいいという教えがあって、麻原はそれに合う教えを探してきたとしか思えないんですね。
ニポポ:
ああ、なるほど。
滝本:
麻原はロシアではイエス・キリストなんです。お釈迦様じゃなくて、まずはキリストなんです。
ニポポ:
そうか、お釈迦様からキリスト様から、色々と立ち位置を変えられるわけですね。
ニポポ:
礼拝、立位などが24時って、よく考えたら夜中ですからね。これでお歌が始まったりするわけですか。
沢木:
24時のちょっと前から始まる。24時から3時間、立位礼拝ですね。
ニポポ:
3時間も礼拝が入るわけですね。
滝本:
五体投地【※】ってね、あれはすごいね。
※五体投地
五体(両手・両膝・額)を地面に伏し、礼拝をすること。
ニポポ:
その礼拝が終わったら、ようやく睡眠。
沢木:
睡眠はシャヴァアーサナとか、究極の瞑想とか言ってましたよね。要はただの睡眠ですけどね。
ニポポ:
(笑)。
滝本:
どんなカルトでも睡眠不足が一番多い。情報不足、栄養不足、睡眠不足、この中で睡眠不足が一番、人間の思考を狭めてしまう基本だと思いますね。
ニポポ:
そうか、それをもう狙ってやってらっしゃったところがあったりするんですかね?
沢木:
まあそう。
ニポポ:
3時から睡眠が入って、6時にはもう起きるということですね。
沢木:
そうです。記憶の限りでは。そして、6時から始まるのが「大乗の発願」です。
ニポポ:
これはどういったものなのですか?
沢木:
最初に「オウム、オウム、オウム」と、オウム三唱があります。
それから、大乗の発願に移ります。確か、「ホー湖面に映る…。」
滝本:
「大湖面に映る虚像のような様々な幻影に引きずられ、輪廻の大海を浮沈する生き物たち。彼ら全てが絶対自由、絶対幸福なるマハー・ニルヴァーナに入るまで。四無量心込めて、大乗の発願をいたしますか。」
沢木:
そう。
滝本:
バージョン違うんですけど。要するに、ホー湖面に映る画面、虚像、現世が幻なんですよ。それがオウムの教えというものですね。
ニポポ:
ああ、現世が幻であるんだよ、ということをここで、毎朝やるわけですね。
沢木:
その隣の「苦の詞唱」が、「自己の苦しみを喜びとし、他の苦しみを自己の苦しみとす。」というもの。
そのあとオウム発願、ヨーガ、アーサナをやって、ウィンドトレーニング、気功ですね。
ニポポ:
なるほど。気功の気を高めるのをウィンドトレーニングというんですね。
沢木:
そうですね。
ニポポ:
「オウム食」に関してですが、パンなど甘いものが出たりしているみたいですけれども。
滝本:
時期によって違うんです。塩も使わない。
沢木:
そう、あとはイースト菌も使わないですね。だからパンも硬い(笑)。
滝本:
菌が死んじゃうというのが可哀想なんですよ。オウムはネズミもゴキブリも、生き物だから殺さない。でも人間は殺すんだけど。
ニポポ:
そこ、謎ですよね。
沢木:
ビフィズス菌を殺すからヨーグルトも食べない。
滝本:
けど、さすがに栄養失調で子供が可哀想だとなって、94年にはバナナが加えられた。
ニポポ:
バナナは栄養たっぷりですからね。
沢木:
基本は水炊きがメインなんですけど、時期によってはすいとんとかもありました。あとは具無しのラーメンですけど、どこかの安い製麺機をただでもらって作っていた。
滝本:
印刷機とかもどこかの新聞社の安いのを買っていたり。あとはサットヴァジュースという粉ジュースとか、女性の生理用品とかも自分たちで作って使うのがオウムなんです。
農業は農薬を使えないからやっていませんでしたけどね。その薬品を使って化学兵器を作ったりとかしていましたが。
ニポポ:
そうか。サティアンとかも自分たちで組み立てたり。
滝本:
建築士もいたので、建物も自分たちで組み立てていたみたいです。
ニポポ:
では、当時のオウム食を再現したものがあるので、実際に食べてみましょうか。
滝本:
タッパーのまま食べるんです。まあ、本来は一人分ずつタッパーも分けるんですけど。
ニポポ:
(笑)
スタッフ:
昆布とシイタケで出汁を取りました。
ニポポ:
これ、美味しいな(笑)。
滝本:
毎日これじゃ飽きちゃうけどね。
ニポポ:
確かに毎日はパンチないけれど、出汁でこれだけ美味しくできるんですね。
―関連記事―
地下鉄サリン事件で公安関係者が想定した最悪のシナリオ「日本は彼らの支配下に置かれる危険性があった」
「民主主義の対義語は沈黙である」地下鉄サリン事件後のオウム真理教ドキュメンタリーを、マスメディアの同調圧力に抗った堀潤が語る
【ザ・新興宗教】セックス教団『リトル・ペブル同宿会』潜入レポート。教団責任者が唱える″償いのセックス”に密着
オウム真理教むいちゃいました【元信者×滝本弁護士×ニポポ】