男女の仲になったからといって、それが結婚につながると思っていたら大間違い

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 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした男女の婚活事情を、様々なテーマ別に考えてゆきます。今回は、『肉体関係は結婚へとつながるのか』です。

2、3か月つきあうと関係が終わってしまう

 結婚相談所の規約の中に、“男女の関係になることは、成婚とみなす”という項目があります。つまり“結婚が決まるまでは、エッチしちゃダメよ”ということですね。

「そんな明治、大正、昭和初期でもあるまいし、時代遅れでしょ」という人もいるでしょう。また、「カラダの相性が合わない人と結婚したら、その先ずっと不幸ですよ。試すことも大事!」とお考えの人もいるでしょう。

 おっしゃることはごもっとも。ただ“結婚を前提とした出会い”を提唱する結婚相談所においては、この線引きをしておかないと、出会い系サイトや婚活アプリとなんらかわらなくなってしまう。

 先日も、入会面談にきた弥生さん(33歳、仮名)が、こんなことを言っていました。

「ここ2年くらい婚活アプリで活動をしていました。“いいな”と思う人には出会えるんですよ。でも、どうも結婚までたどりつけない。おつきあいに入っても、2、3か月すると、気持ちがすれ違っていくんです」

 どうしてすれ違っていくのでしょうか?

「回数を重ねて会っていくうちに、男性との価値観の違いに気づいて、“この人とは結婚できないな”と思う。あとは、相手の仕事がすごく忙しくなって、会えないうちにお互いのテンションが下がって、自然消滅的に終わってしまったりするんです」

 弥生さんの話をよくよく聞くと、アプリで知り合った男性とは、だいたい2回目か3回目のデートで男女の関係、つまりエッチをしていました。

ヤリモクの餌食になる婚活女子

 すべての男性がそうだったとは言いません。ただヤルことが目的、“ヤリモク”男性が、婚活市場に多く紛れ込んでいるのもまた事実です。

 婚活中の女性は、“結婚”という言葉に弱い。この言葉をチラつかせれば、簡単になびいてくる。「結婚を真剣に考えている」といえば、男女の関係にも快く応じてくれます。

 ですが、男性の目的はヤルことですから、一定期間遊んだら姿を消したい。この時、遊び慣れている男性がうまく別れるための常とう手段がいくつかあるのです。

 そのひとつめの方法は、男性から別れを切り出すのではなく、女性の気持ちを“この男性と、別れたい”という方向にうまく仕向けていく。

 たとえば、何かにつけて意見を食い違わせ、時には暴言を吐き、喧嘩をわざと仕掛ける。喧嘩が多くなると女性は一緒にいる気持ちが疲弊していきます。

 そして、「この男性と結婚しても、幸せになれない」と思うようになり、女性から、「私たち、やっぱり別れましょう」と言い出してくるのです。

 2つめは、男性の仕事が急に忙しくなります。これは会う期間をあけるための口実です。

 今まで週2のペースで会っていたのが、週1になり、10日に1回になり、1か月に1回になる。メールのやりとりも、即レスだったのが2日に1回、3日に1回、1週間に1回となっていきます。

 メールの間隔があくと、女性も男性の気持ちの変化に気付きますよね。そこで、女性が追ってきても、「仕事が忙しい」の一点張りで逃げ切る。もしくは女性のテンションが下がって、自然消滅的に関係が終わっていきます。

 そのほかにも、架空の転勤を言い出す男性もいます。国内、海外ともにちょっとやそっとじゃ会えない距離に転勤になるのです。それによって「しばらくは結婚どころではなくなった」と女性に思わせる。

 これは、アラフォー女性に有効な方法ですね。彼女たちは、2年も3年も結婚を待ってはいられない。そこで、女性から別れを切り出すことになるのです。

 いかがでしょうか? 出会っても2、3か月でおつきあいが終わってしまうという女性は、どれかのケースにあてはまりませんか?

結婚相談所が絶対的安全地帯ではない

 “男女の関係になったら、成婚とみなす”という規約が相談所にはあると前記しましたが、そこはやはり大人同士のおつきあいですから、仲人には内緒でホテルに行ったり、旅行に行ったりしているカップルもいます。

 成婚退会する時に、「実はもうそういう関係でした」と、事後報告してくるのですが、“終わりよければすべてよし”という諺もあるように、2人で結婚を決めてくれたのなら、それでよいのです。

 ところが、男女の関係になったのにもかかわらず、どちらかが心変わりをして交際終了になることもある。以前、こんなケースがありました。

 真知子さん(41歳・仮名)は、商社に勤める美夫さん(44歳・仮名)とお見合いを経て交際に入ってからも、週1のペースで会っていて、ふたりは次第に結婚を考えるようになりました。

 時はちょうど年末。ふたりは会社の冬休みを利用して、4泊5日のシンガポール旅行に行くことになりました。ところが、旅行から帰ってきてから雲行きがあやしくなってきた。

 美夫さんから毎日のように来ていたLINEが来なくなりました。週末にデートをする約束をしていたのに、「急に仕事が入ったから」という理由で、ドタキャン。そして、美夫さんの相談室から「交際終了」がきたのです。

 交際終了がきたことを、真知子さんに告げると、彼女は電話口で泣き出してしまいました。そして、年末にシンガポールに2人で旅行したことを、私に事後報告してきたのです。旅行に行ったのですから、すでに男女の関係にもなっていました。

 男女の関係になっているのに、“交際終了”は、本来あってはならないこと。私は美夫さんの仲人さんに事の経緯を話し、“交際終了”の理由を尋ねました。シンガポール旅行のことを知った仲人さんも驚いていました。

 美夫さんの心変わりの理由は、こうでした。

「旅行中、彼女は僕におんぶに抱っこで、1回もお財布を開かなかった。旅行ガイドもすべて僕まかせで、シンガポールの街の下調べもしていなかった。彼女と結婚して、何かにつけこんなに依存されたら重たいなと思ってしまった」

 旅行をすると、その人本来の姿が見えてきます。旅行する前までは、美夫さんに結婚する意思はあったのだけれど、旅行をして彼女をより深く知り、「やっぱり結婚はできない」と思ったのですから、いたしかたがありません。

 ですが、ふられた真知子さんにしてみたら、結婚相談所の出会いだったので、やりきれなかったのもまたわかります。

エッチをするとより気持ちが入るのが女性

 女性は男女の関係になると、より気持ちが男性に向いてしまいます。一方男性は、その関係になるまではオスの本能である“征服欲”で猛進するのですが、目的を達成すると、盛り上がっていた気持ちがいったんストンと落ちると言われています。

 これは、男女の身体の構造の違いからくるものなのだとか。女性は一度妊娠したら、子が生まれるまではほかの子どもを妊娠できない。その子どものぶんまで男性から愛されようと気持ちがどんどん強くなる。

 ところが男性は、今日ひとりの女性を妊娠させても、明日は別の女性を妊娠させることができる。男性にとってのエッチは、征服欲の射精であるのだから、それが達成されるといったん気持ちがリセットされる。

 今の時代、男女の関係になることの垣根が非常に低くなっていますが、婚活女子には、常に男性を見極める目を持っていただきたいですね。男女の仲になったからといって、それが結婚につながると思っていたら大間違いなのですよ。

鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『あいかつハウス』http://aikatsuhouse.grupo.jp/