歯科医選び、失敗すれば「歯抜けでボロボロ」に! 優良医院の見極め方とは
コンビニの数より多いといわれる歯科医院は、当たりはずれが多いのも事実。自分に合っているかいないかも重要だけど、そもそもヤブ医者には当たりたくない。スーパードクターが教えてくれた、よい歯医者さんの選び方とは?
新しい機材の導入率もポイント
「実際に通ってみないと歯科医院のよしあしはわかりません。通ってみて、しっかりした歯みがきの指導や、定期的なクリーニングを行っているところがいいでしょう。インプラントや審美を全面的に打ち出しているところより、予防歯科に力を入れているところがオススメです」
と話すのは、歯科医の若林健史先生。歯周病の治療や予防をしっかり行わないと、いくら見た目がいいインプラントを入れても砂上の楼閣。台無しになってしまうからだ。
「お金だけつぎ込んで、結局、歯が抜けてボロボロになってしまいますよ」(若林先生)
通わなくてもわかる方法は?
「現代では、ホームページを基準に選ぶしかないでしょう。実際に出向く前に、その先生が何に力を入れているのか、専門は何なのかを知ることが重要です」
とは、歯科医の遠山先生。どこにお金をかけているかをチェックするのもポイントだそう。
「新しい機材を入れている歯科医院もオススメです。また、勉強会や学会に積極的に参加している先生もいいですね。そこにお金と時間をかけているということは新しい技術を取り入れることに前向きだという証。あとは、歯科医自身が清潔なことでしょうか(笑)」(遠山先生、以下同)
たしかに不衛生そうな歯医者さんに口の中をいじられるのはイヤ! また、ひとつの歯科医院の中に複数の先生がいるところもオススメだとか。
「医師がひとりだけよりもほかに先生がいるほうが、うまい・下手の評価をされるので、切磋琢磨して腕が上がるという説を聞いたことがあります」
矯正歯科は認定医を選べばハズレはない
レベルの差が顕著にあらわれるという分野が、歯列矯正を行う歯科医院。矯正歯科医の坂本先生が指摘する。
「はっきりいって一般歯科治療よりも玉石混交、各医院によってレベルの差が大きいと思います。
まず診療科目のいちばん先に矯正が入っていることが大事。いくつもの症例をあげないと、矯正歯科治療は腕が上がりません。
矯正歯科専門の先生がいないのに他の診療科目と並べて矯正歯科も標榜しているようなところは、矯正歯科治療を受ける場合には選ばないほうがいいかもしれません」
また、専門医や認定医かどうかも、判断する際のポイントに。
「矯正歯科医は、日本矯正歯科学会の認定医をとるのが難しいので、認定医であることは必須条件かもしれません。専門医は数が少なく、その上に大学での長い勤務経験のある指導医がありますが、認定医を選べば、ハズレはないと思います」(坂本先生、以下同)
また、設備の充実ぶりも見極めどころ。
「矯正は頭部X線規格写真(セファログラム)といって、撮影したレントゲンから頭部や顔面の状態を分析・診断し、どうやって歯を動かすかの診断をするためのレントゲン機器など、一般歯科には通常ない設備が必須。それをそろえているかどうかが重要です」
また、歯にブラケットをつける位置も重要だ。坂本先生のクリニックに不安を胸にセカンドオピニオンとして訪れる患者の中には、あきらかに変な位置についていることがあるそうだ。
「矯正歯科治療中は歯がガタガタになることがあるんです。それでも、ブラケットが正しい位置について治療のゴールが見えていれば大丈夫ですが、非常に心配になるケースもあります」
矯正専門ではない一般歯科で、週に数回、矯正の担当医が治療を行うクリニックもある。腕は確かなのだろうか?
「若くて上手な先生もなかにはいますが、症例が多いほど判断力がつき腕が上がるのが矯正治療の世界。年齢が高めのほうが経験豊富で腕はいいかもしれません」
歯科は専門が細分化されている。目的に合った先生を選ぶのがベストだ。
【この3人に伺いました】
若林健史先生
歯科医。若林歯科医院院長。長年、歯周病治療に従事し、つねに最新の治療を行う第一人者。日本歯周病学会理事、日本歯周病学会専門医・指導医、日本臨床歯周病学会副理事長
坂本紗有見先生
矯正歯科医。銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック院長、日本矯正歯科学会認定医。30年近く矯正一筋のプロ中のプロ。ていねいで熟練した腕前の治療が好評。
遠山敏成先生
歯科医。マイスター春日歯科クリニック院長。「日本顎咬合学会学術大会」において優秀発表賞を受賞。最新技術を取り入れた治療が好評。