DV男の目を盗んで、女性が動物病院スタッフに渡したメモ(画像は『ABC News 2018年5月27日付「Woman slips note to veterinarian saying boyfriend holding her captive, police say」(Volusia County Sheriff’s Office)』のスクリーンショット)

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パートナーからDV(家庭内暴力)を受けている者にとってそれを公にすることは、かなりの勇気を要するに違いない。このほど米フロリダ州で、恋人から暴力を受けていた女性が隙を見て助けを求めたことから男が逮捕された。『ABC News』『Metro』などが伝えている。

フロリダ州ボルーシャ郡デランドに住むある女性は5月23日夜、恋人のジェレミー・フロイド(39歳)に繰り返し激しい暴力を受けた。ジェレミーに外出を禁じられた女性は、飼い犬を動物病院へ連れて行かなければならないと説得し、25日になってなんとか家から出ることができた。しかし女性をひとりで外出させることを拒否したジェレミーは、動物病院へ向かう途中も銃を女性に突きつけ、女性やその家族を殺すなどと脅していたという。

動物病院に到着すると、女性はジェレミーの目を盗んで受付スタッフにこっそりメモを渡した。そこにはこのような言葉が書かれていた。

「警察を呼んで。恋人に脅迫されているの。彼は銃を持っているわ。どうかこのことを彼には言わないで。」

メモから事態を察したスタッフが警察に通報し、駆けつけた警察官によりジェレミーは動物病院で逮捕された。その後、警察はDV現場となった2人の自宅も捜査している。警察によると、ジェレミーは過去に有罪判決を受けたことがあり、今回はDV容疑に加え、前科者による銃器と銃弾所持、銃器による加重暴行、不法監禁、暴行殴打の容疑で逮捕した。保釈金が設定されていないジェレミーは、ボルーシャ郡刑務所(VCBJ)に拘留されているとのことだ。

欧米ではDV被害者が通報するのはわずか1%に過ぎないとも言われており、DVを受け続けている被害者の苦しみが容易に表面化されることはない。しかし今回の件のように、被害者の勇気が自身の命を救うきっかけになることは間違いないと言えよう。

画像は『ABC News 2018年5月27日付「Woman slips note to veterinarian saying boyfriend holding her captive, police say」(Volusia County Sheriff’s Office)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)