【MLB】大谷翔平、懐疑的な見方一蹴 米番記者「このレベルで活躍できることに驚き」
大谷二刀流へ高まる期待、「日本で起きたことが米国で起きない理由ない」
エンゼルスの大谷翔平投手は敵地で行われた4月1日(日本時間2日)の開幕第4戦アスレチックス戦でメジャー初先発を果たし、6回3安打3失点の好投で初勝利を挙げた。2回に3ランを浴びながらも修正し、先発の役目を果たすクオリティースタート(QS、6回以上を自責3以内)。このデビュー戦を地元のメディアはメジャーリーガー・大谷はどう見たのか。エンゼルスの番記者は「日本で起きたことがアメリカで起きない理由はない」と今後の活躍を予想した。
大谷は初回に160キロを計測し伝家の宝刀・スプリットで空振り三振を奪うなど最高のスタートを切った。2回にチャップマンに逆転3ランを浴びたが、その後は修正し無失点。修正能力の高さを見せメジャー初勝利をつかみ取った。
「ピッチングは素晴らしかった。思っていたよりだいぶ良かったというのが素直なところだ。もう少し戸惑いがあるかと思ったが、落ち着いていた。打たれた3人の打者以外に対しては非常に良かった」
こう語ったのはLAタイムズのエンゼルス番記者ジェフ・ミラー氏だ。160キロの直球も評価しながら、メジャーでは“動くボール”が活躍するポイントの一つとなることを挙げ、「その点ではカットボールとスライダーはメジャーレベルにある」と評価した。
被弾後の修正力を評価「圧巻だった」、「メジャーで活躍できると証明した」
オープン戦では防御率27.00と乱調だった日本人右腕に対して、懐疑的な見方を強めていた米国メディアだったが、同記者は「このレベルで活躍できることに驚きを覚えている。特にホームランを献上してからの投球は圧巻だった。彼にとっても重要な登板になったはずだ」と、メジャー初登板で見せた好投でその見方は変わるだろうと予想した。
開幕戦に野手で出場し、その10日以内に投手として先発したのは1919年のベーブ・ルース以来99年ぶりの快挙だった。メジャーで異例の挑戦に踏み切っていることについても「彼が成し遂げようとしている二刀流は簡単に批判ができてしまう。他に誰もできていないのだから、なぜ彼ならできるというのだという風に。そういった意見に対して、メジャーで活躍ができると彼は証明したよ」と、称賛している。
日本ハムに入団した直後も大谷の二刀流に関しては様々な意見が飛び交った。それでも、自らの信念を曲げず誰もが認める成績を残し、それを達成させた。世界最高峰の舞台メジャーリーグでも二刀流を完成させることができるのだろうか。「エンゼルスのGMは日本のリーグのレベルの高さをリスペクトしていて、メジャーでもオオタニが慣れさえすれば活躍すると信じている。彼は23歳で、まだ成長段階だ。日本で起きたことがアメリカで起きない理由はない」と同記者は語る。
懐疑的な見方を早くも覆し始めている大谷。米メディアはシーズン終了後に一体どうのような評価を下すのか。メジャーの舞台でも二刀流として輝く姿に期待したい。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)