ネット通販の自転車は安いけれど問題もある? 手動での防犯登録、修理をするために必要なこと

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自転車は健康によく環境にやさしいこともあり、日常での買い物や通勤、通学に利用している人も多い。
電車で行けない場所でも徒歩に比べて少ない時間で移動することができる。
自動車やバイクなどと異なり、免許も、燃料も不要で、税金もかからない。

筆者が子供の頃は、インターネット通販はまだなかった時代なので、自転車は自転車屋さんで購入していた。
大人になっても自転車屋さんで購入していたが、ある日、自転車が壊れたのを機に自転車に乗らなくなった。
しかし、最近、健康のために近くにあるサイクリングロードで自転車に乗ろうと思い、インターネット通販サイト(ネット通販)を通じて自転車を購入した。

購入した自転車は、「おそらく一生乗らないであろう」と思っていた「マウンテンバイク」であった。
気になる価格は1万4,800円(税込)という安さだった。

■ネット通販の自転車のメリットとデメリット
筆者の場合、自分好みの自転車を安く購入できたが、ネット通販にはメリットとデメリットがある。
ここで簡単にまとめておこう。

●メリット
・自宅で注文できる
・価格が安い

●デメリット
・イメージしていた自転車と違う商品が届く場合がある
・安全基準を満たしていない自転車もある
・自転車屋さんに修理を拒否される場合がある
・自分で組み立てる必要がある場合もある

■自転車の防犯登録は義務
新車、中古車を問わず、自転車は防犯登録する必要がある。
というのは、防犯登録は国家公安委員会の規定で定められており、罰則規定はないが、義務化されているからだ。
登録を済ませておけば、万が一、自転車が盗難に遭ったときでも、自転車が戻りやすくなる。

防犯登録は「自転車防犯登録所」の看板を掲げてある自転車防犯登録所で行える。
早い話、自転車屋さんだ。スーパーやホームセンター、個人店でもかまわない。

防犯登録を行うと、「防犯登録証(防犯登録ステッカー)」が自転車に貼られ、
・防犯登録番号
・車体番号
・所有者の住所
・氏名
・電話番号
などが警視庁のコンピュータに登録される。
ただし、データ登録までにおよそ2ヶ月を要する。

登録手続きには、
・自転車本体
・公的機関発行の身分証明書(運転免許証・健康保険証など)
・外国国籍の方は外国人登録証明書
・保証書または販売証明書(販売店名・商品名・車体番号などが全て明記されているもの)
・登録料500円(非課税)
が必要となる。譲り受けた自転車でも、所有者が変わる場合は、新たな登録番号で登録手続きを行う必要がある。

筆者も、ネット通販で購入した自転車が到着後、早速、運転免許証と500円玉を用意して、近所にある個人経営の自転車屋さんへ行くことにした。

■防犯登録でひと悶着
自転車屋さんのご主人に、「ネット通販で自転車を購入したので、防犯登録がしたい」旨を伝えると、

「ネット通販の自転車は修理できない」
ことを、まずハッキリと言われた。

必要書類と登録料500円を手渡すと、販売証明書に「車体番号がない」とのこと。
車体番号は自転車本体に刻印してある。
それを販売証明書に記載する旨の注意書きの書類が、自転車本体に添付されていた。
このことも伝えたが、対応してもらえず、一度、自宅に戻った。

自宅で車体番号を記載した販売証明書を持って再び自転車屋さんへ行く。
自転車屋さんは自転車本体に刻印してある車体番号を確認後、「防犯登録証(防犯登録ステッカー)」を貼り付けてくれた。
自転車店では、車体番号が刻印されている場所を知っていたが、「車体番号を記載した販売証明書」が無いことで追い返されたということだ。

その後、「防犯登録証(防犯登録ステッカー)」がはがれてことで、再び自転車屋さんへ行くことになる。

■自転車が壊れたときの対処法
さて、ネット通販で購入した自転車が壊れたとき、どうすればよいのだろうか?

対処法は、
・自転車屋さんへ持って行く
・自分で修理する
の2通りある。

自転車屋さんによっては、ネット通販で購入した自転車でも修理してくれる店もある。
そういう親切な自転車屋さんを見つけることだ。

自分で修理するのは、ハードルがかなり高い。
自転車に付属の説明書やネットを調べた後、必要なパーツを購入して修理する必要があるからだ。

■ネット通販の自転車を修理しない理由
いくつか理由が推察される。

・自転車本体と修理はセット
・規格外の仕様には対応できない


まず、「自転車本体と修理はセット」という考え方だ。
自転車の修理だけでは、ビジネスとして成り立たない。自転車本体と修理はセットとして考え、業者も含めて自分たちの利益を守るために修理しないという話だ。

規格外の仕様については、
ネット通販で販売されている自転車の中には、国内で流通してないパーツを使用した自転車もある。
この場合は、店舗側でも規格外のパーツを用意してないため、修理の受付ができないというものだ。

このほかにもネット通販で販売されている自転車の中には、国内の安全基準を満たさない可能性もあるという。
購入の際は、メリットとデメリット、レビューの評判なども考慮して購入した方がよいだろう。


ITライフハック 関口哲司