伊調パワハラ「凄まじさに驚きを隠せませんでした」 告発弁護士、内閣府聞き取りの模様を報告
日本レスリング協会の栄和人・強化本部長が五輪4連覇の伊調馨選手にパワハラをしていたと告発があった問題で、告発状を提出した貞友義典弁護士が2018年3月13日、内閣府の聞き取り調査を受けた結果を報告した。
貞友弁護士は同日夜にメディアなどに対し文書を送付。ともに聞き取りを受けた田南部力氏が訴えたパワハラ実態を聞き、「その凄まじさに驚きを隠せませんでした」とつづっている。
「私が告発状に書いた内容をはるかに超える練習妨害やパワハラの実態」
文書によれば、内閣府の公益認定等委員会の調査は12日に始まり、貞友弁護士は、告発状で「A氏」とされた、伊調選手のコーチをしていた田南部氏とともに10〜13時に聞き取りを受けた。
その時の様子について、
「田南部氏は私が告発状に書いた内容をはるかに超える練習妨害やパワハラの実態を具体的に訴えられました。私も同席してその話を聞き、その凄まじさに驚きを隠せませんでした」
とつづられている。また、「そのような練習妨害やパワハラが日常化し、多くの選手が被害を受けるのが常態化していた原因はどこにあるのかについても、田南部氏は具体的に述べられました」といい、さらには「女子の代表選考が恣意的に行われているという実態も具体的に話されています」とも伝えた。栄氏が監督をつとめる至学館大学からは、多くの女子日本代表選手が選出されてきた経緯がある。
続けて同日14〜16時、貞友弁護士は告発状の「B氏」である安達巧氏(バルセロナ五輪代表)とともに聞き取りを受けたという。
協会の金銭管理についても言及が
「お二人(編注:田南部氏と安達氏)はさらに選手やコーチに支払われる金銭について適切に処理されているかについても具体例を挙げて調査を依頼しています」と、協会の金銭管理についても言及があったことを文書につづっている。ただ、その「具体例」については報告できないとした。
貞友弁護士は最後に、「安達氏と一緒に、内閣府公益認定等委員会の調査権、監督権の発動を求めて行動してきましたが、ようやくそこにたどり着いたという実感です」とつづった。そのうえで「今後は内閣府が調査を進められ、不当な政治的圧力に屈することなく日本レスリング協会が公益認定を受けるにふさわしい団体であるように指導監督をされることを望んでいます」としている。