三本松・佐藤 圭悟、「変幻自在」で早稲田実業を5安打完封!5安打完封勝利を収めた三本松先発・佐藤 圭悟(3年)

 ここまで歴代2位の高校通算101号を積み上げている清宮 幸太郎(3年主将・一塁手・右投左打・184センチ101キロ・調布リトルシニア出身)。前日の英明戦で3発を放ち、早くも高校通算39本を放った野村 大樹(2年・捕手・右投右打・172センチ80キロ・大阪福島リトルシニア<大阪>出身)。「平成29年度香川県高等学校野球連盟招待試合」2日目も、早稲田実業(西東京)が誇る「KN砲」のアーチを期待し約3,500人の観衆が詰め掛けた。

 しかし、第1試合ではこの男が主役の座を奪う。春季香川県大会優勝校・三本松のエース・佐藤 圭悟(3年・右投左打・174センチ66キロ・東かがわリトルシニア出身)。打者34人・5安打・2四死球・7奪三振。自己最速144キロを出すおまけ付きの完封勝利。この試合を甲子園のリハーサルとして捉えつつも佐藤に対しては「春季大会前から招待試合の相手が早稲田実に決まっていた時点からいろいろとシュミレーションをしていたので、特に指示はせずに送り出した」日下 広太監督の信頼に満点で応える129球である。

 女房役・渡邉 裕貴(3年主将・捕手・右投右打・168センチ70キロ・東かがわリトルシニア出身)と作り上げた配球もよく練られていた。まずは1回裏、一死から振り逃げと清宮の強烈な中前打で背負った一、三塁のピンチでは内角のチェンジアップで2ストライクと追い込んだ後「ボールになってもいい外角のスライダー」で見逃し三振。

 直後の2回表、この日は投球テンポもよく99球で完投した雪山 幹太(2年・右投左打・169センチ75キロ・神戸中央リトルシニア<兵庫>出身)から6番・浦上 統也(3年・中堅手・174センチ70キロ・東かがわ市立白鳥中出身)、9番・多田 祐汰(3年・二塁手・右投右打・170センチ62キロ・東かがわリトルシニア出身)の適時打などで奪った4安打2得点への流れを作った。

 そして6回裏に先頭打者で対峙した清宮には「ストレートを狙われている」空気を察しチェンジアップ3球連続で選択。「調子が上がっていた」日本高校野球界の至宝の出鼻をくじいた三球三振は、全国に大きなインパクトを与えたに違いない。

「全国レベルと対戦出来ていい経験になった」と試合後は満面の笑みを浮かべた佐藤。今度は甲子園で、さらなる打者たちを攻略するために。四国屈指の変幻自在右腕は、24年ぶりに三本松を夏の大舞台に導くべく、全国レベルでの準備を進めていく。

(取材・写真=寺下 友徳)

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