【西東京展望】日大三、早稲田実ブロックに入った有力校は?シードを脅かすノーシードの実力校を紹介!

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 6月17日、東西東京大会の組み合わせが決まった。ここからまずは早稲田実業、日大三の両雄が鎬を削る西東京の展望をしていきたい。激戦が予想される西東京を制するのはどこか。

■トーナメント表■【抽選会前展望を読む】

東海大菅生、日大三と8強対決か?

櫻井周斗(日大三)

 怪物・清宮 幸太郎や野村 大樹を擁する早稲田実業と、櫻井 周斗、金成 麗生を擁する日大三の2強対決が実現するかどうかが注目の西東京大会であるが、対戦カードでは、日大三にやや厳しい結果になった。

 今回の抽選では、140キロ前後の速球を投げる好投手が5人もいる東海大菅生がどの位置に入るかが大きなポイントであったが、順当なら準々決勝で日大三と対戦するブロックに入った。しかも日大三にとっては、準々決勝に行くまでの相手も、そう楽ではない。

 初戦は、昨夏8強の國學院久我山、都立の実力校である都立狛江の勝者と、秋は1次予選で明大明治を破った日大桜丘の試合の勝者と対戦する。この中では、春は1回戦で敗れたとはいえ、好打者の寺師 浩太ら昨夏の経験者が残る國學院久我山が有力だ。戦力では日大三とかなり開きがあるが、伝統校だけに侮れない。もし日大桜丘が勝ち上がった場合、1972年のセンバツの決勝戦の再現になる。

 5回戦での対戦する相手のブロックにも、実力校が揃う。まず都立総合工科と聖パウロ学園の試合は好カード。このチームでは結果を残せていないが、力のあるチームだけに、夏はどんなチームに仕上げてくるか、注目の試合だ。このブロックには、強力打線の都立片倉や、伝統校の専修大附がおり混戦模様だ。

 2強を追いかける最有力候補の東海大菅生にしても、準々決勝で日大三と対戦するまでの道は平坦ではない。

 初戦は、成蹊・桐朋の勝者対、都立小川の試合の勝者と対戦する。成蹊と桐朋の対戦は、ともに戦力が整っているので、好ゲームが期待できる。4回戦の相手は、都立の強豪・都立昭和か。

 5回戦では世田谷学園との対戦が有力だ。世田谷学園は春季都大会で、複数の好投手を擁する日本ウェルネスを打ち崩しており、東海大菅生の投手陣との対決は注目される。

そして日大三と東海大菅生が順当に勝ち上がった場合、「打倒早実」を目標に掲げる日大三にとって、その前の最大のヤマになる。

早稲田実のブロックには桜美林、日本学園

松井洸太(桜美林)

 全国的に注目される早稲田実業は、中堅の実力校が揃っているが、比較的対戦運には恵まれた。初戦の相手は、都立調布北、駒場学園、都立南平のいずれかだが、打線がいい駒場学園が有力。5回戦で対戦するブロックには、元祖都立の星である都立東大和や、清宮が入学する前である3年前の秋季都大会で早稲田実業を破っている法政大高がいる。

 準々決勝では、攻守のバランスがいい桜美林か、春季都大会で都立日野に善戦した都立東大和南か、シード校の日本学園との対戦が有力だ。日本学園とは昨年の秋季都大会の1回戦で対戦し、早稲田実業がコールド勝ちしているものの、日本学園も力を付けシード校になっているだけに、どこまで食らいつけるか注目される。

都立日野、八王子のブロックにも強豪が集まる

 西東京大会のシード校は9校。5回戦でシード校同士が対戦する可能性のあるブロックが1つだけある。そのブロックに入ったのが、都立日野と昨年優勝の八王子だ。しかもこのブロックには、他にも力のある学校が結構集まっている。

 昨夏の4強メンバーが多く残り、ノーシード校の中で最も力があるとみられている創価もその一つ。創価は初戦で都立豊多摩と対戦する。都立豊多摩は、都立城東などを指揮した平岩了監督の下で力を付け、秋は都立日野に善戦している。この試合の勝者は、4回戦で都立日野と対戦する。創価であれ、都立豊多摩であれ、好ゲームが期待できる。

 八王子の初戦の相手は、春季都大会で試合の中盤まで早稲田実業に善戦した中大附か。春は都立江戸川を破った都立国分寺と2年生ながら力のある坂本 凌太郎投手を擁する明星の試合も興味深い。

 駒大高には、都立清瀬など都立の実力校が立ち向かう。4回戦の相手は、日大鶴ヶ丘か。駒大高には吉田 永遠、日大鶴ヶ丘には赤星 優志と投打二刀流の注目選手おり、両者の対決が見どころだ。5回戦の相手は、投手陣が充実する明大中野八王子が有力だが、八王子実践や最近力を付けている都立東村山西も侮れない。

 国士舘は初戦、秋8強の早大学院との対決が有力。ともに打線がいい両チームの対決は、順当なら3回戦屈指の好カードになる。

 その勝者は、柳澤 憲人ら好投手のいる明大明治との対戦が予想される。国士舘と明大明治は、春は2回戦で対戦し、国士舘が大勝しているが、この試合では柳澤は投げていない。5回戦では、春季大会で帝京に善戦した日大二か、都立の強豪・都立府中工あたりが出てくるか。

 佼成学園は比較的対戦運に恵まれたが、初戦での対戦が予想される都立上水は打線がいいので、油断はできない。

 どうしても早稲田実業、日大三の対決に関心が集まる西東京大会であるが、この2校が全体のレベルを引き上げており、思わぬ伏兵が登場する可能性も十分ある。2強に対し、他校がどう立ち向かうかを軸に、今年の西東京大会は展開しそうだ。

(文・大島 裕史)

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