坂出vs早稲田実業
6月18日、第9回を迎えいまや国民恒例行事の1つとなった「AKB48シングル選抜総選挙」が終わった。1位は3連覇の指原 莉乃。2位の渡辺 麻友と総選挙最後を公言していた2人が今年もトップ2を張り、上位にも常連が数多くを占める一方、「アメージング」な結果も目に付いた。
速報発表で初ランクイン1位、最終結果も5位に入った荻野 由佳をはじめ、速報ランク外から飛び込んできたメンバーも多々。ただこれは彼女たちとファンたちが様々なアプローチで努力を重ねた結果。いわば必然的なアメージングである。
その「必然的アメージング」は沖縄県からの発信から数時間前、香川県でも発生した。2017年に入ってはじめての完封負けを強打・早稲田実業(西東京)に刻ませた坂出。一般的には想定外の結果だが、これもまた彼らにとっては必然の積み重ねである。
たとえば5回表の先制場面。先頭打者で四球を選び犠打で進んだ後、ワンバウンドゴーで三塁に進み、8番・西山 諒祐(3年・投手・右投右打・175センチ71キロ・まんのう町立満濃中出身)の中前打を引き出した6番・門田 誠司(3年・一塁手・右投右打・170センチ68キロ・多度津町立多度津中出身)や、さらに犠打後、ワイルドピッチで一気に本塁を突いた西山の好走塁は、「できることをちゃんとやる」(上原 達也監督)チームコンセプトを体現したもの。
昨秋県大会で昨年香川大会王者の尽誠学園を崩した「脚攻」は強者の動揺を誘い、最後は高校通算5本目となる3番・細川 寛大(2年・右翼手・181センチ70キロ・丸亀市立西中出身)の「追い込まれていたのでコンパクトに振った」だめ押し2ランに帰結した。
そして6回裏一死までノーヒットノーランを続け、145球5安打4四死球3奪三振での完封を果たした坂出エース・西山もしかり。「冬に鍛えてきた」インコースストレートは自己最速の137キロを叩き出し、3番・清宮 幸太郎(3年主将・一塁手・右投左打・184センチ101キロ・調布リトルシニア出身)ら左打者に対しては外角用、野村 大樹(2年・捕手・右投右打・172センチ80キロ・大阪福島リトルシニア)ら右打者に対しては通常のチェンジアップ2種類も有効に決まった。
この戦い方を7月9日開幕の香川大会で彼らがもし貫けたならば……。1950年の創部から62年目で初甲子園を目指す彼らが、第4シードから「本命」に躍り出たとしても全く驚きではない。
(取材・写真=寺下 友徳)
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