「戦術に課題」 流血本田が先制後に守りに入ったハリルJ戦術にダメ出し

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イラク戦バースデーアシストも痛恨ドローに

 日本代表MF本田圭佑は、13日のロシア・ワールドカップアジア最終予選イラク戦で中立地のイランで行われた地の利を生かせず1-1ドローに終わり、「アドバンテージを生かせずに残念」と猛省。

 そして、「戦術的な戦い方に課題があった」と先制後に守りに入ったチームを厳しくダメ出しした。

「悔しいですね。悔しいですけど仕方ないです。しっかり反省していきます」

 31歳の誕生日で迎えたイラク戦で、香川真司、山口蛍という主力故障の影響で本田は試合後に反省モードだった。

 5試合ぶりに先発出場のチャンスを手にした。前半8分には右CKからFW大迫勇也の先制ゴールをアシストしたが、サイドで局面打開できず。ラストパスの精度もなく、後半アディショナルタイムの決定機にはGKの正面にシュートを打ち込むなど、アジアの国相手にかつての決定力は見せられなかった。

「良くなった部分も(あった)。若い選手もいて、怪我人も多いなかで、最低限のことはやったんじゃないかと思う一方で、先制点を取れたので、もう少しチームとして上手く戦うことができていれば、1-0だけでなく追加点も狙うことができたんじゃないかと。その辺のいわゆる戦術的な戦い方にまだまだ課題が多かったんじゃないかと思います」

 競り合いで唇を切り、流血した本田はこう語った。先制点を手にした後、イラクにボールを支配された。遠藤航、井手口陽介、原口元気の中盤は創造力に欠け、ゲームを組み立てられなかった。本田もサイドで局面を打開できなかったが、チーム全体で守りに入り、追加点を奪いにいくという意識を統一できなかった戦術面を課題に挙げた。

中立地開催の“地の利”もいかせず「残念です」

 この日は中立地イランでの開催だったが、スタンドには日本人サポーターも多かった。本田は「非常に多くのサポーターがスタジアムまで来てくれたというのは、アウェー感を感じないという意味ではアドバンテージだったんですが、期待に沿えず残念です。ありがとうございました」と悔しさを示した。

 ホームでオーストラリア、アウェーでサウジアラビアと最終予選はついにクライマックスを迎える。

「どの相手とやっても簡単でないことは間違いないので、そういう意味ではあと2つ。それぞれ決勝のつもりでプレーしたいと思います」

 この日の勝ち点1で、次のオーストラリア戦で勝利すれば日本は2位以内が確定して本大会への出場権を獲得する。一方、オーストラリアとサウジアラビアの両代表との勝ち点差は1しかなく、王手を掛けた状況だが、修羅場は続いている。

 キャプテンマークを巻き、流血しながらも奮闘した本田もアシストという結果を残したが、ウインガーとしてレギュラー奪回に相応しいパフォーマンスと言い切るにはインパクト不足だった。“決勝戦”となるオーストラリア戦で先発のピッチに立てるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images