森友学園の説明、ぐだぐだ 松井知事も「反論」を一蹴
学校法人「森友学園」が開校を目指している小学校「瑞穂の国記念小学院」の17年3月中の認可が見送られる公算が大きくなってからも、大阪府の松井一郎知事が学園への批判を強めている。
学園側が、私立学校から推薦入学枠の提供を受けたと報告していたことが事実でなかったり、補助金を申請する際に、国交省と府で異なる事業費を申告したりしていたことが新たに明らかになったためだ。学園側は「コンサルのミス」などと説明した模様だが、松井氏は「コンサル、これミスしますかね?」と一蹴。裏付けの薄い学園側の説明がさらに疑念を呼ぶという泥縄状態で、松井氏は「補助金詐欺っていうことになれば、刑事事件になりますんで」とまで述べた。
「コンサルのミスって、そりゃ、世の中の人、そうだと思いますかね?」
学園側は「愛知県内の中等教育学校と推薦入学枠の提供で合意」と大阪府の私学審議会(私学審)に報告していたが、その愛知県の学校が3月5日に「全くの事実無根」と反論。学園側は、資料を作成したコンサルタント会社が「誤って記載した」などとして撤回していた。
松井氏は3月7日の登庁時会見で、
「これね、コンサルのミスって、そりゃ、世の中の人、そうだと思いますかね?コンサル、これミスしますかね?これはもうね、『じゃあ、コンサルを呼んで確認する』ということになりますし...」
と述べ、学園側の説明を信用せず、コンサルタント会社からヒヤリングを行う可能性を示唆した。
学園をめぐっては、補助金をめぐる新たな疑惑も明らかになっている。学園は、私学審には校舎の建設費を7億5600万円だと説明していたが、国交省に補助金を申請する際に提出した資料では21億8000万円だと説明。約6200万円の補助金受給が決まった。
「まあ何とか逃げ切ろうということで、必死になっている」
記者から
「教育庁に対して、(学園側は)『国には最大の見込み費用を報告している。もらいすぎている補助金は国と相談している』と言っているが、国交省側は『そんな相談は受けていない』ということらしい。言ってみたら、疑惑に対して、その回答になっていない説明をしている」
などと、森友学園側の説明につじつまが合わないことを指摘する声が出ると、松井氏も
「まあ何とか逃げ切ろうということで、必死になっていると感じる」
と応じていた。
松井氏は、
「これ、補助金詐欺っていうことになれば、刑事事件になりますんで。そもそも教育者の資格に疑問符がつく」
と、語気を強めていた。
鴻池メモ&会見には具体的反論せず「事後的に捏造」「嫌悪感」
学園側の説明が「泥縄」になりそうなのは、今回が初めてではない。
3月2日には、鴻池祥肇・元防災担当大臣が、籠池理事長夫妻から「紙に入ったもの」を差し出され「無礼者!」と追い返したことを明らかにしている。この会見に先立つ参院予算委員会では、鴻池氏の事務所の「面談記録」が取り上げられ、籠池氏が執拗に口利きを求めていたことも明らかにされた。
通常であれば、事実関係について否定するのが一般的な対応だが、学園がウェブサイトに3月3日にウェブサイトで発表した文書では、異例の内容の反論を展開した。
鴻池氏の会見について「時系列の矛盾や合理性を欠くものを含む」と指摘し、面談記録は「事後的に捏造された文書」だと主張。鴻池氏について
「献金や寄付を強要していた事実を揉み消そうとする態度には嫌悪感しか感じません」
と批判しながらも、
「既に入学を決め、入学を心待ちにしている生徒のために、今は反論を控え、適切に認可がおりるのを待つことにします」
などと具体的な反論を避けている。