餃子、麺類、スイーツ…“冷食おばさん”が選ぶ「マジでうまいイチ押し冷凍食品」
スーパーでの半額セールなど、味よりも安さがウリになりがちな冷凍食品。ところが、最近はより味にこだわった商品が次々に登場し、注目を浴びている。
前編記事に続き、そんな冷食業界の最新事情、そしてイチ押し商品を、冷凍食品に人生を捧げる“冷食おばさん”こと山本純子さんに聞いた!
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近年はより味にこだわった食卓向けの商品も増えているという冷凍食品。そのこだわりの一例として、山本さんが例に挙げた商品が、スーパーでよく見かける冷凍のさぬきうどん。
「さぬきうどんの独特なコシを解凍しても再現する急速凍結機械の性能が格段に上がっています。10年ほど前あたりから設備の更新時期となり、新型凍結機が導入されたことにより、うどんを凍結するのに40分かけていたのが、今では10分と大きく短縮されました」(山本さん)
その急速凍結技術の進歩は、具体的にどんな味の変化をもたらす?
「当然、よりおいしく品質も高くなっています。うどんは電子レンジで簡単に、おいしく解凍できるようになって、夏場でも売れるようになりました。そもそも急速凍結は、細胞レベルの組織を傷つけず、味や食感だけでなく栄養もほとんどそのまま保存する技術です。
さらに言えば、冷食は食品を腐敗させる菌が活動できないマイナス18℃以下で保管・流通しているので保存料は不要。長期間保存できるので、『何か健康に悪いものが入っているのでは?』と思う方も少なからずいますが、それは誤解。むしろ長期間ストック可能なのに、味もおいしく、栄養も十分という便利なものです」(山本さん)
日本の冷食がそんなに進化していたとは!
ということで、前編の【から揚げ部門】【チャーハン部門】に続き、自らもほぼ毎日、冷凍食品を食べているという山本さんのオススメ商品(男向け!)を部門ごとに聞いた。いずれも手軽な価格帯ながら味は確かなので、ぜひ実食してほしい。
「オススメした商品は、ピカールのように食卓を飾るにふさわしいおかず系冷食ばかりです。また、各メーカーとも今後は男性向けの商品も開発し、新たなマーケットを開拓する方針。冷凍庫にストックしておけば腐る心配もなく、結果としてコスパも良いというメリットもある。たいていの外食より安上がりで、調理の手間もほぼかからない。ひとり暮らしでコンビニ弁当や外食ばかりというような忙しい男性にこそ、冷食はオススメなんですよ」(山本さん)
とりあえず、スーパーの冷食コーナーへGoだ!
【餃子部門】
●ギョーザ
味の素冷凍食品 197円
「15年以上、冷食で売り上げトップ。年を重ねるごとに完成度もアップ」(山本さん)
●【大阪王将】ぷるもち水餃子
イートアンド 198円
「弾力のある皮はまさに『ぷるもち』。しょうがの効いたジューシーなあんも◎」(山本さん)
【麺部門】
●青の洞窟ボロネーゼ
日清フーズ 278円
「もちもちパスタに肉のうまみが出た濃いめのソースがよく絡みます」(山本さん)
●日清のどん兵衛鬼かき揚げ太うどん
(日清食品冷凍 218円)
「コシある麺とだし香るつゆとサクサクかき揚げ。今日も食べてきました(笑)」(山本さん)
【スイーツ部門】
●今川焼(チョコレートクリーム)
ニチレイフーズ 278円
「解凍後、トースターで焼いて生地をカリカリにして食べるのもアリ」(山本さん)
【そのほか部門】
●ごっつ旨いお好み焼 豚玉
テーブルマーク 420円
「山芋使用の生地はふわふわでだしの風味も効いています。豚肉はカリカリ」(山本さん)
(取材・文/牛嶋 健[A4studio])
●山本純子(やまもと・じゅんこ)
業界紙など冷凍食品の報道に携わること35年。冷凍食品解説の第一人者。テレビ、雑誌などのメディア出演のほか、自ら運営する冷凍食品情報サイト『エフエフプレス』http://frozenfoodpress.com/で冷凍食品の最新情報を発信している