SNS上でバカ認定されないために身につけるべき思考術
LINE、Twitter、Facebookなど、いまや私たちの生活になくてはならないものになっているSNS。
友人とのコミュニケーションや情報収集に、きちんと使いこなせればこれほど便利なツールはありませんが、一つ間違えると他人を不快な気持ちにさせたり、巡り巡ってはあなた自身の評価を下げてしまうことも。
こんな事態を避けるために、私たちは何をすべきなのでしょうか。
■SNS時代に必須の「熟考する力」
SNSが普及した大きな理由のひとつに、「手軽さ」が挙げられます。
しかしその手軽さゆえ、自分の考えと相容れなかったり、怒りを感じるようなニュースや投稿を見ると、反射的に裏付けの薄いコメントを書き込んでしまいやすくもあります。
その軽率なコメントを同僚や友達が見たら決していい気分はしませんし、少なくともその人への評価が高まることは決してありません。「バカな奴」認定されてしまうこともあるかもしれません。
こうしたリスクを避けるために何が必要なのか。
青山学院大学法学部教授にして、『熟考する力〜流されない自分をつくる本物の思考術』(大和書房刊)の著者、木山泰嗣さんは、日々、デジタルネイティブ世代の学生たちと接するなかで、「熟考する力」の重要性を痛感するようになったといいます。
「熟考する力」とは、「すぐに反応しないための力」。反射的にコメントを書きたくなる気持ちをコントロールして、冷静さを保ち「今から自分が言おうとしていることは妥当か」、「そもそも発言すべきなのか」と考える力です。
特に実名性の高いFacebookやLINEでは大事になる力かもしれませんね。
■同じルールでも、人によって捉え方は異なる
では、具体的にどんなことを考えればいいのでしょうか。
一つ例を挙げてみましょう。
「恋愛禁止」を謳っているアイドルグループのメンバーに熱愛報道があったとします。こうしたとき、犯罪者をつるしあげるかのように、「信じられない!」などとSNS上で批判的なコメントをしたら、それを見た人はどんな印象を持つでしょうか。
もちろん、共鳴する人もいるかもしれませんが、「逆上したファンによる、感情的なコメント」と受け取る人もいるはずです。その場合、あまりいい印象は持たれません。
このケースにおいて、木山さんは、コメントをする前に、「そもそも、なぜ『恋愛禁止』というルールができたのか」を考えることが重要だとしています。
その結果「恋愛をしてしまうとファンへの平等なサービスが難しくなるからかも」など、仮説を立てることができます。そうなると「実際にしっかりとアイドルの活動を果たしているのであれば、恋愛禁止の目的には反しない」と、ルールを柔軟に捉えた考え方も出てきます。
ここまで考えて書いたコメントは、感情的なものでも一方的なものでもないはずです。
■その情報は、「事実なのか、意見なのか?」を確かめるクセをつける
「熟考する力」を身につけるために、もうひとつ意識したいのが情報への接し方。木山さんによると「それは事実なのか、それとも意見なのか?」という視点を持って情報に接することが重要です。
SNSを含め、ネット上の情報は玉石混交。特に最近では意図的にウソの情報を流すフェイク・ニュースサイトの存在も問題視されています。「誤情報の拡散」はSNSでバカ認定される理由の最たるものですが、そうなってしまうリスクは誰にでもあるのです。
こうした事態を避けるために重要になるのが、「事実なのか、意見なのか」という視点。そして、ある情報が事実かどうかを見分けるために欠かせないのが、「それは一次情報か、二次情報か」という視点だといいます。
つまり、まずは一次情報と二次情報を切り分け、事実なのか意見なのかをはっきりさせる。その上で、自分の意見を述べる。これらの点を徹底することが、「熟考する力」を養うことにつながるといいます。
本書では他にも、表面だけを見て的外れなことを言わないための物事の評価の仕方、言葉の裏にある相手の意図を見抜く方法などについても言及されています。
ちなみにこれらの思考術はすべて、木山さんが専門とする法律の世界で当たり前のように使われる「法的思考」をベースに、誰でも日常生活に応用できるよう、そのエッセンスを抽出し、再構成したもの。
SNS上で説得力ある発言をしたいのなら、本書のなかで挙げられている思考術のうち、まずは「これ、できてないかも…」と思うものから取り入れてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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しかしその手軽さゆえ、自分の考えと相容れなかったり、怒りを感じるようなニュースや投稿を見ると、反射的に裏付けの薄いコメントを書き込んでしまいやすくもあります。
その軽率なコメントを同僚や友達が見たら決していい気分はしませんし、少なくともその人への評価が高まることは決してありません。「バカな奴」認定されてしまうこともあるかもしれません。
こうしたリスクを避けるために何が必要なのか。
青山学院大学法学部教授にして、『熟考する力〜流されない自分をつくる本物の思考術』(大和書房刊)の著者、木山泰嗣さんは、日々、デジタルネイティブ世代の学生たちと接するなかで、「熟考する力」の重要性を痛感するようになったといいます。
「熟考する力」とは、「すぐに反応しないための力」。反射的にコメントを書きたくなる気持ちをコントロールして、冷静さを保ち「今から自分が言おうとしていることは妥当か」、「そもそも発言すべきなのか」と考える力です。
特に実名性の高いFacebookやLINEでは大事になる力かもしれませんね。
■同じルールでも、人によって捉え方は異なる
では、具体的にどんなことを考えればいいのでしょうか。
一つ例を挙げてみましょう。
「恋愛禁止」を謳っているアイドルグループのメンバーに熱愛報道があったとします。こうしたとき、犯罪者をつるしあげるかのように、「信じられない!」などとSNS上で批判的なコメントをしたら、それを見た人はどんな印象を持つでしょうか。
もちろん、共鳴する人もいるかもしれませんが、「逆上したファンによる、感情的なコメント」と受け取る人もいるはずです。その場合、あまりいい印象は持たれません。
このケースにおいて、木山さんは、コメントをする前に、「そもそも、なぜ『恋愛禁止』というルールができたのか」を考えることが重要だとしています。
その結果「恋愛をしてしまうとファンへの平等なサービスが難しくなるからかも」など、仮説を立てることができます。そうなると「実際にしっかりとアイドルの活動を果たしているのであれば、恋愛禁止の目的には反しない」と、ルールを柔軟に捉えた考え方も出てきます。
ここまで考えて書いたコメントは、感情的なものでも一方的なものでもないはずです。
■その情報は、「事実なのか、意見なのか?」を確かめるクセをつける
「熟考する力」を身につけるために、もうひとつ意識したいのが情報への接し方。木山さんによると「それは事実なのか、それとも意見なのか?」という視点を持って情報に接することが重要です。
SNSを含め、ネット上の情報は玉石混交。特に最近では意図的にウソの情報を流すフェイク・ニュースサイトの存在も問題視されています。「誤情報の拡散」はSNSでバカ認定される理由の最たるものですが、そうなってしまうリスクは誰にでもあるのです。
こうした事態を避けるために重要になるのが、「事実なのか、意見なのか」という視点。そして、ある情報が事実かどうかを見分けるために欠かせないのが、「それは一次情報か、二次情報か」という視点だといいます。
つまり、まずは一次情報と二次情報を切り分け、事実なのか意見なのかをはっきりさせる。その上で、自分の意見を述べる。これらの点を徹底することが、「熟考する力」を養うことにつながるといいます。
本書では他にも、表面だけを見て的外れなことを言わないための物事の評価の仕方、言葉の裏にある相手の意図を見抜く方法などについても言及されています。
ちなみにこれらの思考術はすべて、木山さんが専門とする法律の世界で当たり前のように使われる「法的思考」をベースに、誰でも日常生活に応用できるよう、そのエッセンスを抽出し、再構成したもの。
SNS上で説得力ある発言をしたいのなら、本書のなかで挙げられている思考術のうち、まずは「これ、できてないかも…」と思うものから取り入れてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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