モータージャーナリストが選ぶ「2016年ビックリしたクルマ」ベスト5! 1位は○○が衝撃だったあのクルマ
2016年もいよいよあと少しとなりました。クルマ業界においては年明け1月8日から北米国際自動車ショーが予定されており、12月に入ってからその発表情報も続々と飛び込んできています。2017年もどんなクルマや技術に出会えるのか大いに期待したいところですが、その前に2016年にはどんなクルマが登場したのかを振り返ってみましょう。今回は、モータージャーナリスト の岡本 幸一郎さんが「今年ビックリしたクルマ」というテーマで5モデルをピックアップ。その結果をランキング形式でご紹介します。
こんなに小さいのに、これほど安定して走れるクルマはない!
第5位 デミオ(マツダ)
【ここにビックリ!】
「G-ベクタリングコントロール(GVC)」による操縦安定性の高さ
GVCはマツダ車に順次採用されている技術。ひとあし先に出たアクセラでも非常に高い効果を感じていたところ、デミオでも期待どおりの安定性だった。具体的には、GVCによって直進安定性が高まっただけでなく、狙ったラインをトレースしやすくなったり、交差点ひとつ曲がるにも従来よりもステアリングを切る角度が小さくなったり、といった効果を実感できた。加えて、乗り心地にもその効果は表れており、後席に乗っている際の、コーナーを曲がるときに体が揺すられるスピードと量が感覚として半分以下になったように感じられた。
そのほか、ディーゼルモデルでは「DE精密過給制御」、「ナチュラル・サウンド・スムーザー」、「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」というマツダ独自の技術の採用によって、ディーゼルと思えないほどレスポンスがよくスムーズな点も高評価。
従来モデルより燃費も走りも大幅アップ!
4位 プリウス(トヨタ)
【ここにビックリ!】
驚異的な燃費性能
公称の燃費はJC08モードで驚異の40.8km/L。たしかにすごいが、最初は「どうせまたカタログ値と大きく乖離しているのでは?」と思っていた。実際に試してみると、カタログ値どおり、とまではいかないものの、燃費は従来よりもかなりよくなった印象。こんなに燃費のいいクルマはそうそうないだろう。
個人的に推したいのは「走り」について。これまでのプリウスの固定概念を覆すほど走りがよくなっている。少し大げさかもしれないが、ノーマルのままサーキットも攻められるくらいだ。そのほか、個性的なデザインでも注目を集めた。不評の声がかなり大きいのは事実だが、個人的にはエアロパーツがよく似合っていて気に入っている。
いよいよ自動運転の時代へ突入か!?
3位 セレナ(日産)
【ここにビックリ!】
国内メーカーで初めて自動運転「レベル2」を実用化
「プロパイロット」によって高速道路の同一車線自動運転を実現。前の車との車間距離を保持しつつ、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御してくれる仕組みだ。実際に試した感想としては、「自動運転」と呼ぶには少し早い気もするが、高速道路を延々と走るときや渋滞時はとてもラク。ただ、ステアリングへの制御感が大きいのはやや難点か。
そのほかの注目ポイントとしては、シートアレンジの多彩さを推したい。もともとライバルから抜きん出ていたが、新型ではさらに磨きがかかっている。これ以上やることはない、というくらいの充実ぶりだ。
まさかの爆売れ!
2位 ノート e-POWER
【ここにビックリ!】
11月に日産車としては30年ぶりの月販台数ナンバーワンに
ノート自体は登場して4年以上が経過したクルマ。そこにいくら新しいものを積んでも、そんなに売れるわけがない・・・と思っていたらこの結果である。実際に試したところ、“ひと踏み惚れ”というキャッチフレーズどおり、インパクトのある加速が魅力的だった。電気自動車であるリーフのパワートレインを流用していて、エンジンを発電機として使っているため、エンジンは加速にいっさい寄与していないそうだ。
また、ブレーキを踏まなくてもアクセルオフだけで減速できるので、車間距離の調節などがとてもラク。ある程度はワンペダルで運転できるだろう。
日本車でもついにこんな価格の市販車が!
【ここにビックリ!】
予想を超えた2370万円という価格
最初は800万円で出てきて、徐々に上がって、それでも1000万円台だった感覚からすると、どんなに高くても2000万円を超えることはないだろうと思われていた。その予想を軽く飛び越えた2370万円という価格が衝撃的だったため、今回1位とした。たしかに見た目も価格に見合うスペシャル感があり、まぎれもないスーパーカーだ。507psの3.5リッターV6ターボ+モーターの加速もさすがのひとこと。
また、前輪の左右輪の駆動力を個別に制御して回頭性と操縦安定性を高める、フロント2基、リア1基のモーターを搭載した「スポーツハイブリッドSH-AWD」によって異次元感覚のコーナリングを実現している点も注目だ。
以上が岡本さんによる「今年驚いたクルマランキング」でした。来年も我々をビックリさせてくれるおもしろいクルマの登場に期待ですね。