ポルシェ、BMW。ライカと手を組む中国メーカー ファーウェイ、ZTEの勢いが止まらない理由とは

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スマートフォン(スマホ)の世界シェアで、中国メーカーの躍進が止まらない。
上位2メーカーは、サムスン電子とアップルが占めてはいるものの、3位以下は中国メーカーがしのぎを削っている状態だ。

最近、その中でも、日本で徐々に認知度と評価を挙げているファーウェイが、一歩抜け出た印象だ。
これに、
・モトローラ・モビリティーを傘下に持つレノボ
・PHSで力を付けたZTE
これらのメーカーもグローバル市場での成長、健闘を見せている。

世界市場だけでなく、中国国内でも激しい競争が起きている。
シャオミに続き、新興メーカーのOPPOやvivoが、大きく成長してきている。
中国の2016年第3四半期(7〜9月)の出荷台数シェアは、これまで1位だったファーウェイが3位に落ちたのだ。
なんと、OPPOが1位を奪取し、vivoが2位に付けているのだ。

こうした中国メーカーが成功しているのは、スマホ製品の品質向上だけでない。
価格やプロモーションの注力している点が、めざましく変わってきていのだ。

特に、ファーウェイでは、ブランド力のある大手メーカーと提携する戦略で、追ってくる新興メーカーとの差別化を図っている。またファーウェイやZTEは、世界の携帯電話会社のブランドへのモデル供給での知名度アップを、自社ブランドに上乗せさせたい思惑もあるだろう。

例えば、
ファーウェイは、スマホカメラでライカの技術協力を得ている。
ZTEでは、「AXON 7」や「AXON 7 mini」のボディーはBMWグループのDesignworksによってデザインされている。

日本でも10月21日に発売されたAXON 7やAXON 7 miniは、
最近流行りの2.5Dラウンドガラスを有効に活用し、スポーツカーに見立てた丸みのある流線型ボディーとなっている。特にディスプレイの上下に配置されたデュアルステレオスピーカー部分に特徴だ。


BMWグループのDesignworksによってデザインされたZTEのAXON 7(左)とAXON 7 mini(右)


さらに、先日11月3日、ドイツ・ミュンヘンにて発表されたファーウェイのフラッグシップスマホ「HUAWEI Mate 9」は、
ポルシェデザインが手がけた「PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 9」がラインナップされている。
こちらも背面にメタル素材を用いており、ラウンドデザインを採用。
文具やアクセサリーなどのデザインを行っているポルシェデザインならではの使っている素材から吟味したラグジュアリーモデルとして販売される。


ポルシェ子会社のポルシェデザインによってデザインされたファーウェイのPORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 9


中国メーカーが、他業種との提携を活発に行っているのは、メーカーの開発拠点が中国国外にも配置したことも大きいと思われる。
ファーウェイはフランス・パリにデザイン研究センターを設け、ZTEもドイツ・ミュンヘンに開発拠点があるのだ。
Designworksもミュンヘンにデザインスタジオがあり、ポルシェデザインやライカもドイツメーカーなのでパリとはそう遠くない。

これまでにもBlackBerryのポルシェモデルやモトローラのファラーリモデルなどがあった。
しかし、以前のコラボモデルとは異なり、AXON 7などは自社の製品としてきちんと昇華できているように思える。

もちろん、その分のコストが製品価格に上乗せされるわけだが、従来までの低価格な製品も維持しつつ、付加価値のあるモデルを提供できるのであれば、今後、中国メーカーは、より力を付けていきそうだ。

なお、日本でもPORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 9の提供はあるかどうかは不明ながら、HUAWEI Mate 9は発売予定となっている。


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