あの秀吉に「我慢」を強いた名刹
[ちちんぷいぷい‐毎日放送]2016年10月20日放送の「昔の人は偉かった」のコーナーで、兵庫県姫路市にある佛日山法輪禅寺が紹介されていました。
佛日山法輪寺(Bakkaiさん撮影、Wikipediaより)
このお寺は別名「湯沢山茶くれん寺」と呼ばれ、門前にはその名が刻まれた立派な石碑もあります。名前の由来には豊臣秀吉と住職のおもしろいエピソードが残されています。
秀吉は「わしじゃ」と高笑い
1580年、秀吉が織田信長の家臣だったころ、姫路にあった英賀城を攻める際に、この寺に立ち寄りました。住職が秀吉を茶でもてなそうと湯を沸かしていたときに「その茶をくれ」という声が。見たところラフな身なりで、少数の家来だったため、住職は「これは秀吉様のもの、あなたはお湯で我慢してください」と答えます。
すると、その男は「秀吉はわしじゃ」と高笑い。平謝りする住職たちに「湯がたくさんあって茶をくれんかった寺」という意味の「湯沢山茶くれん寺」と寺号を授けたと伝えられています。
秀吉の豪快さが表れたエピソードですね。現在の住職の奥さまは「来客があれば一番にお茶を出すようにしています。お茶も出さない寺と言われ続けるのは困りますからね」と。
境内には秀吉の来訪を記念して植えられたカヤの木や秀吉の腰掛け石があり、秀吉とのゆかりを知ることができます。(ライター:青空繭子)