[となりのテレ金ちゃん-テレビ金沢]2016年10月17日放送の「仰天コロンブス」のコーナーで、出されたお菓子を食べずに帰ろうとしたら、半紙に包んで渡させてびっくりしたという県外出身者のエピソードがでていました。どうやらこの風習は石川独特のものらしいのです。

緑茶。画像はイメージ(Elena Gurzhiyさん撮影、flickrより)

県外出身者に「お客さんが出したお菓子を食べずに帰ったら?」という質問をすると、ほとんどが「自分で食べる」「持たせない」と答えたのに対し、石川県民は「半紙に包んで持たせる」と答える方が圧倒的でした。

武家と町人の融合文化

半紙で包む作法は、やはり金沢の風習のようです。紙を販売する金沢市十間町の中島商店の方によると、半紙は書道で使うほか、キリコ、しめ縄の飾りにも使い敬う気持ちの表れがあるそうです。

さらに民俗学博士の小林さんによると、元々は武家の作法として、全国に半紙を引いてお菓子を出すという習慣がありました。その後、加賀藩は武家と町人の交流が盛んだったこともあり、明治になると町人がこぞって真似ていったのです。

そして、町人たちの間で「お道忘れ」といって、「途中でお腹がすたらお召し上がりください」という意味を込めたお菓子を包む文化が生まれました。

つまり、武家と町人の文化が融合したものが、「半紙に包んで持たせる」という独自の文化に発展していきました。加賀藩の領土であった富山でも見られるそうです。

今では、お持ち帰り用に袋状に作った半紙などもあり、金沢だけのオリジナルアイディア商品となっています。(ライター:りえ160)