2016年10月22日、神奈川県の大磯海岸で、親子で地引網を体験するイベントが開催された。


写真はすべて2016年10月22日Jタウンネット編集部撮影

イベントを開催したのは、D.Y.F.C(ダイワヤングフィッシングクラブ)。釣用具のDAIWAを運営するグローブライド(東京都東久留米市)のCSR活動の一環で、40年の実績があり、2005年からは「地球を感じ、いのちと出会い、のびのび育つ。」をスローガンに、全国各地で子どもを対象としたフィッシングスクールなどを行っている。

今回集まったのは、小学校1〜3年生の子どもとその保護者およそ100人。生きた魚を触ったことのない子どももたくさんいる。生きた魚に触れることで自然や生命の尊さを実体験から感じてもらうことが狙いだ。

イベントではみんなで地引網を引き、かかった魚を手づかみで採取する。1976年に発足したD.Y.F.Cの活動の中でも地引網は初めての試みで、400人ほどの応募があったという。あるお父さんは参加の理由について、

「地引網は家族ではできないので、いい機会だと思って参加しました」

と話してくれた。大勢で力を合わせて行うというのが地引網の一番の醍醐味。

生きた魚に興味津々!

網元の漁師さんが海に設置してくれた地引網を、約1時間後に親子で回収する。綱引きのように引っ張るのではなく、綱を引きながら後方へ歩く。



後ろまで引いたら前方へ戻り、再び後ろに歩く。



繰り返すうちに、やがて綱と網の境目が現れた。



網が海の中から現れると、俄然やる気が出てきた子どもたち。



網が浜へ上がると、一目散に魚を捕まえに群がる。



ウルメイワシ、シラス、メッキ(ロウニンアジの子ども)、ヘダイ、イトヒキアジ、スズキの子どもなどが網にかかった。


ウルメイワシ


メッキ


イトヒキアジ

生きた魚の感触を確かめる子どもたち。



生きた魚を初めて触ったという女の子は「ぷにぷにしてた」と感想を教えてくれた。「こわい、気持ち悪い」と言っていた男の子も、魚を目の前にすると夢中で捕まえていてとても楽しそうだった。他の子も

「いろんな魚がいてぬるぬるしてた。イワシが青くてきれいで、目がぱっちりしてた」
「つるつるしてるのに、反対側から触るとウロコがあってざらざらしてた」

などと感想を語ってくれた。つるつるした感触は、網でこすれてウロコが剥がれてしまう地引網ならでは。

獲れた魚は仲良く配分してお土産に。漁師さんによると、シラスは生で生姜醤油、イワシも生で手開きにして骨を抜いたものに生姜醤油をかけて食べるのが美味しいという。



最後はビーチクリーン。生き物たちが棲むための環境保全の重要性を考えてもらうことが目的だ。



D.Y.F.Cの小堀さんは、

「ゲームと違って100%がないので、たくさん取れる時もあれば、あんまり取れないこともあります。でもそれが自然との遊びの醍醐味なので、ゲームでは味わえないような非日常を感じ取っていただければ。
魚に触れることと清掃を両方セットでやることで、環境があるから豊かな海になって魚が生きられるということを知るきっかけになればと思っています」

と、イベントに込めた思いを語った。