宮城の秋を彩る食文化「いなご」
[OH!バンデス-ミヤギテレビ]2016年10月7日の「宮城解体新書」のコーナーでは、秋を彩る食文化「いなご」について放送されました。
画像はイメージ(yt_sidenさん撮影、flickrより)
いなごを食べる地域として有名なのが、全国的には長野県、東北では山形県ですが、宮城県でも古くからいなごを食べる文化があります。
粉末にしてクッキーに
今から25年ほど前までは、「いなご取り」を学校行事の一つにあてて、生徒全員でいなごを取り、そのいなごを売ったお金で学校用具を購入していたという歴史があります。しかし、近年では農薬を使う田んぼが増えたことにより、いなごの数が次第に減少し、現在ではあまり行われなくなりました。
以前はいなご取りが盛んに行われていた、米どころの宮城県大崎市。市内の老舗和洋菓子店では「かかしさんのおやつ」といういなごクッキーが販売されています。クッキーの生地にいなごの乾燥粉末を練りこみ、成型後いなごの佃煮を乗せて焼き上げたものです。このクッキーを作るのに欠かせない食材のいなごを、この店では1キロ2000円で買い取っています。
国連食糧農業機関(FAO)では、将来起こりうる「食糧危機」に備えて「昆虫食」を推奨していますが、いなごは豊富な栄養素があることから、コオロギに次いで2番目におすすめの昆虫とのことです。
昆虫料理なので抵抗を感じる方も多いですが、害虫駆除も兼ねて始まった大切な食文化でもあるいなごの佃煮をぜひご賞味ください。(ライター:長沢あきこ)