JR九州姪浜駅に停車中の305系電車。写真はイメージです(Watarase Mizuhoさん撮影、Wikimedia Commonsより)

強い台風18号は、2016年10月5日、長崎県・福岡県など九州北部に接近し、対馬海峡を抜けて、日本海を北東に進んでいる。

進路上にある多くの公立小中学校は、前日から休校を決めていた。しかし高校・大学などの中には、5日朝の状況を見た上で対応を決めたところもあったようだ。またJR九州の在来線、西鉄など私鉄電車と路線バスは、通常運転を行っている。

そんな中、注目されたのが「筑肥線」である。

いったい、なぜ?

「おっ筑肥線が遅れ始めたぞ?......そのまま止まれ」

ツイッターには、早朝から次のようなツイートが交錯した。

早朝にもかかわらず、筑肥線の運行状況をめぐる情報交換が活発に行われた。

筑肥線は、福岡県の福岡市西区にある姪浜駅から、佐賀県唐津市にある唐津駅までを結ぶ約42キロの路線だ。姪浜駅からは福岡市地下鉄空港線と相互直通運転を行っており、通勤・通学路線として賑わっている。

この筑肥線、玄界灘に面した海岸沿いを走るため、強風にはめっぽう弱く、すぐに運休するという。関東でいえば、東京湾岸を走る京葉線のような存在か......?

そんな筑肥線のなかでも、九大学研都市駅は、2005年秋に開校した九州大学伊都キャンパスの玄関口として近年乗客が急増している。

冒頭のツイートの投稿者も、たぶん九大の学生もしくは関係者ではないだろうか。こんな声もあった。

「容易に九大生を特定することが可能です」との指摘のとおり、多くの九大生の関心事は筑肥線の運行状況だった。

「おっ筑肥線が遅れ始めたぞ?」「そのまま止まれ」と言う人や、「まあ順当だな」「筑肥線は20分程度の遅延...ここまでは想定内」とつぶやく人もいる。

「今日はいったい何人の人が筑肥線止まってほしいと思ってるんだろうか」と、正直な感想を述べる人もいた。

ふだんは風に弱いと不評の筑肥線だが、今回の台風ではわずかな遅延にとどまり、九大生の期待は裏切られたようだ。

JR九州筑肥線九大学研都市駅に停車中の303系電車(Tzuhsun Hsuさん撮影、Flickrより)