8月下旬の朝、東京都内の白い洋風の建物に、日焼けした子どもと母親が次々と吸い込まれていく。その一軒屋はインターナショナルスクールで、教室の前でママ友たちと笑顔で話すサングラス姿の母親がいた。山田優(32)だ。

山田が手をつないでいたのは、一昨年10月1日に夫・小栗旬(33)との間に生まれた長女(1歳11カ月)。山田は子どもを送り終わってからもママ友たちと談笑している。ここ最近は騒音問題や町内会費不払いなどのご近所トラブルもあったが、それも解決したのか和気あいあいと語り合っている。

それにしても、まだ1歳の子どもをインターナショナルスクールに通わせるというのは、ちょっと早すぎない?!

「このスクールは11年に開校していますが、最近多いタイプのプリスクール。保育園というか、託児所の機能も持ちつつ、英語を売りにした経営をしているのでしょう」

こう話すのは、インターナショナルスクール事情にくわしい教育評論家の中村弥和氏。最近は国内の大学でも国際的な資格を持ったインター出身者が優遇されるようになったため、入学志望者が増えているという。

このスクールで取り入れているのが、イタリア発祥の『レッジョ・エミリア・アプローチ』という新しい教育法だ。

「『レッジョ〜』は簡単に言えば個性を大事にする思想です。答えを絶対に与えないところが特徴で、絵を描く、歌う、ダンスをするといった芸術面で子供に自由に表現させ、大人が意見しないで伸ばすという教育法です」

指導しない、答えを教えない、型にハメないと、ないないづくしなのがこの『レッジョ〜』だという。このスクールにはほかにもいくつか“売り”がある。「子ども全員の毎日の成長記録」や「ペアレンツ・ミーティング」だ。

「自由な発想を育てるという意味では一見“野放し”状態。いっぽうで面倒見のいいところもあります。前者では、1・2歳児は両親と離れている間に覚える行動や言葉が多いため、親に子供の成長ぶりを実感してもらう効果が。後者では親の求める個性と現実の成長ぶりが食い違うことも多いので、綿密に学校と両親が話し合いの場を持つのです」

親とのコミュニケーションを大事にする校風。働き夫婦のために保育時間が長いのも特徴だという。月謝は、月〜金曜の9時から17時で月20万円強。親のフォローもしっかりした教育で、山田も安心して仕事と子育ての両立に邁進することができるのだろう。