県内30連勝の東海大甲府を阻む学校は現れるか?【山梨抽選会後 展望】

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 現在、県大会30連勝をしている東海大甲府が優勝候補として取り上げられているが、やはり実績面、選手の力量という面を見てもずば抜けている。富士山のごとく東海大甲府は大きなヤマとなって立ちふさがるが、何が起こるか分からないのが高校野球。そんなドラマを起こすべく力を蓄える、山梨の有力校を紹介していきたい。

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東海大甲府は投打ともに強力だが、同ブロックに強豪が揃う

菊地 大輝(東海大甲府)

 東海大甲府は絶対的なエース・菊地 大輝(関連記事)、さらに努力で上り詰めた技巧派右腕・松葉 行人の2枚看板の安定感は抜群。菊地は昨秋に故障に苦しんだが、この夏にかけて調子をだんだん上げてきている。ぜひエースに相応しいピッチングを披露していきたいところ。

 野手でいえば、華麗な守備と巧打がウリの遊撃手・福武 修、強打者・松岡 隼祐、そして強肩強打の捕手・亀田 啓太。そして意識が高まれば、渡邉 諒(北海道日本ハム)クラスの野手に成長するのではないかと期待される沖野谷 翔太もいる。さらに有望な1年生も入ってきた。総合力で見れば全国的に見てもトップクラスで、その実力を全て発揮できれば、確かに相手を圧倒するだろう。

 ただ関東大会では花咲徳栄に0対1で完封負けしたように(試合レポート)、自慢の打線が全くかみ合わず、点が取れない試合もあった。山梨の各校は東海大甲府の思い通りの試合展開にさせないことが不可欠となる。また同じブロックには、2013年夏の甲子園出場の日川や、甲府城西といった強豪がいる。

 都留のブロックは強豪が揃った。都留はエンドレスバントで犠打技術を磨きつつ打撃も磨き、この春、ベスト4入り。可知 祐希、和田 多門といった打力ある選手を中心に、春に続き勝ち上がっていきたい。初戦は笛吹と対戦する。シード校の日大明誠は強豪・帝京三と対戦する。日大明誠は投球術の上手さが光るエース・武田 航太の出来がカギとなる。また4番を打つ小磯 渚は春の県大会では、山日YBS球場の上段へ持っていく本塁打を放った。そのパワーに注目だ。

 帝京三には常時130キロ後半の速球を投げ込む水上 由伸がいる。投打ともに力量ある選手が揃うチームなだけにどちらが勝ってもおかしくないだろう。また同ブロックには駿台甲府がいる。

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豊田 理樹(日本航空)

 春準優勝、関東大会ベスト4の日本航空は最速140キロ近い速球を投げ込む片岡 優気、長身から角度ある直球と独特の曲りをする変化球で勝負する西角 優杏の2枚看板で勝負。打線は広角に鋭い打球を飛ばせる豊田 理樹、7番ながらパンチ力があり、一発も打てる上栗 翔太など打力が高い選手が揃う。

 投手陣は低めへの制球力を強化し、打線も打つ以外に、機動力等を織り交ぜて攻撃の幅が出てくると、もっと嫌なチームになりそうだ。そして甲府商と甲府工と山梨県を盛り上げた伝統校対決にも注目したい。

 シードの山梨学院大附は、個々の力量は東海大甲府にひけをとらない。中学時代から騒がれてきた栗尾 勇摩(2年)がどれだけ安定感を高められるか。ポテンシャルを考えれば、今の2年生世代を引っ張る可能性を持った逸材である。ぜひ飛躍の夏にしたい。

 そして1年の時から走攻守で光っていた瀧澤 虎太朗など逸材が揃うだけに、攻守の完成度を高めて夏に臨んでいきたいところだ。初戦は韮崎工と対戦する。またシードの富士学苑は好左腕・栗木 優誠を中心に守り勝つチームだ。

 東海大甲府が注目されるが、各校に有力選手が揃い、注目の選手がいる。東海大甲府の1強だけでは終わらないハイレベルな野球をどんどん見せてほしい。

(文・河嶋 宗一)

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