【兵庫展望】明石商が初の夏の甲子園出場なるか?夏の有力校を紹介!
明石商が2季連続優勝を果たし、優勝候補に挙げられている。公立としては、2013年の西脇工以来の夏の甲子園を目指す明石商。しかしその道は険しい。今年も私立、公立問わず有力校が多いからだ。今年の兵庫の有力校を紹介していきたい。
明石商、報徳学園の二強 それを追う今年の有力校は?吉高 壮(明石商)
明石商vs報徳学園。昨秋、今春と2季連続で決勝の顔合わせは同じだった。投手を中心とした堅い守りとバントを駆使した堅実な攻めで“負けない戦い”を得意とする明石商だが、春は5試合で34得点と打ち勝つ展開も多かった。
選抜で東邦の藤嶋 健人(3年<インタビュー>)を攻略したことが大きな自信となっており、右方向の打球が伸びチャンスで1本打てる4番の小西 翔太(3年)や2番ながら長打力のある藤原 祐介(3年)、打線とチームを引っ張るキャプテンの大西 進太郎(3年)らが揃い「1番から9番まで簡単にアウトになる打者はいない」と狭間 善徳監督(関連記事)も手応え十分。バントを多用することが多いが、送ると思わせておいてのエンドランなど攻めのパターンも豊富。
投手ではスプリットが武器の吉高 壯(3年<インタビュー>が安定感抜群で、春の決勝では吉高以上の球威を誇る山崎 伊織(3年)が3安打完封。また近畿大会で登板した三浦 功也(3年)、奥西 勇太(2年)、森蔭 翔太(3年)と実力がある好右腕で、投手陣の層の厚さは県内随一。秋春2季連続優勝中で名実共に追われる立場となったが、決して崩れない王者の野球で跳ね返す。
2季連続準優勝の報徳学園は明石商へのリベンジに燃える。注目の好左腕・主島 大虎(3年)が昨秋の近畿大会、滋賀学園戦(試合レポート)で見せたようなベストピッチを大一番で披露したい。主島の負担をストレートとスライダーのコンビネーションでストライクの取れる向井 崇人(3年)がどれだけ減らせられるかもポイント。攻撃面では長打力のある新免 汰晟(3年)や篠原 翔太(2年)の前に小園 海斗(1年)が出てかき回したい。
[page_break:神戸国際、育英も虎視眈々と王座の座を狙う]神戸国際大附、育英も虎視眈々と王座の座を狙う平内 龍太(神戸国際大附)
春3位の育英はタイプの違う左腕3枚を擁する。エース・山本 宵吾(3年)は春季大会を通して不利なカウントからでもストライクを取れるようになり、ツーシームなど動くボールで芯を外す井上 仁裕(3年)も好投。徳永 裕大(3年)はピンチにも動じないメンタルの強さを示した。安田 聖寛監督は投手を中心とした守りには自信を持っており、自滅することはなさそう。打線の奮起が待たれる。
4位の東洋大姫路も西田 昂平(3年)、山内 響(2年)の両右腕の活躍に注目。打線では巧打堅守の遊撃手・森田 陽太(2年)、バットを短く持って広角に打ち分ける井奥 泰誠(3年)など好打者が多い。また1番を任された期待の1年生、大石 孝幸(1年)がいる。思い切りのいいプレーでチームに勢いをつけたい。
ベスト8では、神戸国際大附は平内 龍太(3年)と東郷 太亮(3年<関連記事>)の力のある左右の主戦級投手を擁す。どちらも球威が抜群で奪三振能力が非常に高い。チームとしても地力があり、実績では明石商と報徳学園に1歩先を行かれているが、実力的には互角以上の勝負が出来るはず。市川も、小野又 翔(3年)、鍵野 瑞稀(3年)の両左腕、大型捕手・永良 賢吾(2年)の3人が軸となったチームだ。攻守で粘り強い試合運びが光る姫路南、強打で勝ち上がった北条の公立2校は夏へ向けてさらにレベルアップを果たすことができるか。
昨秋3位の神港学園、4位の加古川東や大黒柱の園田 涼輔(3年)の活躍で選抜出場を果たした長田の戦いぶりにも注目が集まる。地区予選で敗退したが、大型右腕・才木 浩人(須磨翔風)の投球にも期待だ。昨夏甲子園出場の滝川第二は、塩本 周平(3年)、友井 寛人(3年)と2人の140キロ右腕コンビ、左の巧打者・川北 陽大と選手たちの能力の高さは確かなものがあり、ノーシードだが、夏へ向けて浮上する学校に間違いないだろう。
(文・小中 翔太)
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