鵬翔vs都城

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夏をまえに、リベンジに燃えた鵬翔!

エース・田中(鵬翔)

 2015年9月2日。第63回宮崎県高等学校新人野球大会決勝「都城 3対0 鵬翔」現チームの新人戦で、絶対的エース・山本由伸が華々しくノーヒットノーランを達成して、都城が優勝を飾った。

 新人戦で準優勝するも、都城に屈辱的敗北を喫した鵬翔が、リベンジに燃えた今大会準決勝。鵬翔の絶対的エース・田中が、都城の山本 由伸を上回る粘投をみせた。田中は、早いカウントから打ってくる打撃好調の都城打線から計12安打を浴びるも、要所では、巧みにフライアウトに打ち取るピッチングを展開。許したのは、7回の適時打1本(最少失点)のみだった。

 一方、立ち上がりから球数が多く、3ボールにするケースが多かった山本 由伸。本来のテンポの良いピッチングができずにいると、鉄壁が自慢の守りにもミスがでて、4回に先制を許した。そして、7回には、1四球・2死球で二死満塁のピンチを背負うと、押しだしの四球。2点目を献上した。

 序盤から、走塁ミスや犠打ミス、タイムリーエラー等、「らしく」ないプレーが連発した都城。石原 太一監督のもと、笑顔を随所にみせて明るい雰囲気が持ち味のチームカラーが、今日は裏目に出て、やや緊張感に欠く内容となってしまった。

 対照的に、険しい表情で采配を振る鵬翔・久保 重人監督。ベンチ内の選手からは「(エース)田中さんを楽にさせましょう!」、「かっこつけプレーはいらんぞ!」といった、気の利いた声が飛び交った。この試合、万全の準備で闘志を燃やした鵬翔が、まさに勝者の姿。リベンジを果たし、最後に笑ったのは鵬翔ナインだった。

 試合後、鵬翔・久保 重人監督は「(第一声に)胃が痛かったです。子供たちに、こういった接戦で勝つことで自信をつけさせてあげたかった。」と安堵の表情に。エース・田中は「新人戦では(山本 由伸から)打てずに、ノーヒットノーランに抑えこまれたので、勝ちたい気持ちが強かったです。決勝戦も強気で絶対勝ちにいきます!」と、頂点を見据えた。

 夏をまえに、新人戦では手が届かなかった優勝旗を、鵬翔が掴みとるか?明日の決勝戦では、好投手を擁して攻守にバランスのとれた都城工と激突する!

(写真・文=三角 竜之)

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