小説家・柴崎竜人が考えるカッコイイ大人は「3軒目まで行ってくれる人」

この時代をどう楽しく生きていくのか？　どうカッコ良く生きていくのか？　あなたのこれからの毎日を変えてくれるかもしれないヒントを、RIP SLYMEがゲストとともに探求していくTOKYO FMの番組「RIP SLYME SHOCK THE RADIO」。そのなかで、ゲストに必ず聞く質問が「カッコイイ大人とは？」。
4月1日の放送では、東京の三軒茶屋の街を舞台にした小説「三軒茶屋星座館」の著者であり、脚本家としても活動している、小説家の柴崎竜人さんが登場。「カッコイイ大人」について答えてくれました。

小説家・柴崎竜人さん（中央）と、番組パーソナリティのRIP SLYMEのRYO-Z（右）とPES

【柴崎竜人】1976年東京都生まれ、慶応義塾大学経済学部卒業。東京三菱銀行退行後、バーテンダー、香水プランナーなどを経て、小説「シャンペイン・キャデラック」で第11回三田文学新人賞を受賞しデビュー。映画「未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」、ドラマ「レンアイカンソク」などの脚本を多数手がける。小説「三軒茶屋星座館」では文教堂書店三軒茶屋店内の文芸ランキングにて10週連続1位を獲得。2016年には「三軒茶屋星座館」シリーズが文庫化。シリーズ3作目「三軒茶屋星座館　春のカリスト」は3月29日に発売したばかり。さらに第4作目は今秋に発売予定。

RYO-Z　小説はもともと好きだったんですか？

柴崎　好きですね。小学校の頃は落語をすごく読んでいて。ファンタジーも読んだし、海外の文学でロシア、アメリカ、フランスも読んだし、大学出て社会人になってから昭和の小説家にも。みなさんが通っている太宰治さんや大江健三郎さんが好きでしたね。


RYO-Z　「ここで小説家をやっちゃおう」って踏ん切りが付いたのは……でも、流れの中だったのかな？　バーテンダーとかをやっていて。

柴崎　でも銀行員のときから「物語を創っていきたい」と考えていましたね。ただやり方が自分でもわからなくて。ただ香水を作っている前後で「小説家になろう」とは思っていました。

RYO-Z　小説を書いてデビューして、「よし、これでやっていこう」って手ごたえって結構あったんですか？

柴崎　いやわからなかったですね。わからなかったですけど、自分が書いた作品が誰かに届くのが嬉しくて。少なくとも審査員に届いて、活字になって誰かの手元に届くので。それが小説だけじゃなくて、脚本にもなって……。たまたま映画の話をいただいて、コンペだったんですけどダメ元で応募してみたのがきっかけで。エンターテイメントのジャンルになって。もともとは純文学というジャンルでやらせてもらっていたんですけど30歳前後で書き始めたんですね。

RYO-Z　完全に経験が活かされているなと思いますね。今回の「三軒茶屋星座館」を読んで。


柴崎　ありがとうございます！

RYO-Z　バーテンダーが主役ですもんね。もともとの着想はどこから？

柴崎　もともとは三軒茶屋という街が好きで、自分も20年以上住んでいるです。キャロットタワーが無い時代からドーンと建つの見ていて……。

RYO-Z　世田谷線がまだ緑色だったときの……！

柴崎　そうです！　そうです！　あの街は一部が急激に変化して、一部はそのまま残っていて。その街の変遷がすごく好きなので「この街を舞台にしていつか物語を書きたいな」と思っていたんです。それとは別に、ギリシャ神話、星座がすごく好きで。別のときに「ギリシャ神話、星座の物語を書きたい」と思っていて。自分の星座がおとめ座の人って“おとめ座にどんなストーリーがあるのか”を知っている人って少ないじゃないですか。

RYO-Z　うんうん。

柴崎　だけど、そのストーリーってひも解くと、ものすごく面白かったりする。だから「みんながもっと自分の星座の物語を知ったら楽しめるんじゃないか」と思って。そこを物語に組み込めたらと漠然と考えていて、「今回は自分の好きなモノ同士を組み合わせよう」となったんですね。

RYO-Z　僕はもうドハマりですよ！

柴崎　ありがとうございます！(照)

小説家・柴崎竜人さんが考える、カッコイイ大人とは、ズバリ！
「3軒目まで行ってくれる人」

それでは最後に番組恒例の質問「カッコイイ大人とは？」について聞いてみました！

柴崎　“3軒目まで行ってくれる人”ですね。

RYO-Z　(笑)!!　全然行けるわ〜！

柴崎　一緒に飲んでいると、2軒目までは行ってくれるんですけど3軒目はなかなかで、やっぱり「行こうよ」って言ってくれる人が大人だなと思いますね。

RYO-Z　“付き合いのよい人”が大人ってことですね。