「球界の御意見番」に疑問の声相次ぐ

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プロ野球巨人の渡辺恒雄・最高顧問の辞任にまで発展した、巨人の野球賭博問題。日曜朝の情報番組「サンデーモーニング」(TBS系)の「御意見番」、野球評論家の張本勲さんは、巨人の賭博問題に「喝!」を・・・入れなかった。

新たに野球賭博への関与が発覚した巨人の高木京介投手の話題が取り上げられた2016年3月13日の放送で、張本さんは「喝」を入れるどころか、「会見を見ていて、涙が出そうになった」などと同情的なコメントを連発した。視聴者が寄せるツイッターでは、張本さんのコメントは甘すぎるのでは?といった疑問の声も出た。

「甘すぎる」「『喝!』はどうした?」

3月13日放送のサンデーモーニングに出演した張本さんは、野球賭博の問題が取り上げられるまでは「平常運転」だった。開幕から未だ勝利のないJリーグ・サンフレッチェ広島に対して「喝だっ!」と声を張り上げ、「怠けている」とバッサリ。さらに、世界選手権で男女ともに銀メダルを獲得した卓球日本代表にも「喝!」を入れ、「スポーツは1番じゃないとダメ」と辛口のコメントを寄せた。

だが、3月8日に野球賭博への関与が発覚、翌9日に謝罪会見を開いた高木投手の話題になると、張本さんの様子が変わった。最初に一言、「大馬鹿者ですよ。両親や友人に心配や迷惑をかけて、どうするんだ」と叱咤しただけで、以降は厳しい発言は鳴りを潜めた。

張本さんは「援護するわけではないが」と前置きしつつも、「(高木投手の)会見を見ていて、涙が出そうになった」「敗退行為(八百長)はしていない」「賭け事好きな人もいるんですよ」と同情的な発言を連発。続けて、「ちょっとだけ道を開けてやって、更生の道を作ってあげてもらいたい」と訴えた。

最終的には、

「(高木投手は)結婚して子供も生まれるんだから。これからまだ50年、60年も生きていかなくちゃいけないんだから。しっかりと気持ちを切り替えて貰いたい」

と、エールを送るような温かいコメントを寄せた。

こうした張本さんの態度に、ネット上では「甘すぎる」「『喝!』はどうした?」といった不満の声が相次いで上がった。ツイッターには、

「野球関係には甘々やな、このじいさん」
「他のスポーツじゃ喝ばかりだが野球の賭博には激甘だな」
「張本どうしたんだ?なんか甘いこと言ってるぞ」

といった投稿が殺到し、ヤフーの「リアルタイム検索」でも13日朝から昼にかけて「張本」や「サンモニ」(サンデーモーニングの略称)といった複数の関連ワードが上位にランクインしていた。

三木谷オーナー「永久追放はやりすぎ」

実は、巨人の若手投手3人の野球賭博関与が発覚した直後の15年10月11日放送回でも、張本さんは「こういう選手がまだいたんだね」などと言葉少なに語るのみで、「喝!」は入れていなかった。

もっとも、賭博に関与した選手に対する過度な追及を問題視する向きもある。楽天の三木谷浩史オーナーは16年3月11日、ツイッターで、

「野球賭博はあってはいけないことなんだけど、それだけで本当に若い人が一生懸命やってきた人生を全て、奪っていいのか?人間は完璧ではないし、間違いも起こす」

と問題提起。

今回の問題は「プロ野球球団の指導不足の問題だと思う」として、当事者ばかりに批判が集中している現状に釘を刺した。さらに、「もし単に賭けただけなら、永久追放はやりすぎだと俺は思う」と断言。一般ユーザーから寄せられた「楽天ではそういう人も雇うのでしょうか?」という質問にも、「俺は全然雇う」と答えた。

日本野球機構(NPB)は16年3月13日現在、高木投手の関与について調査中で、処分は発表していない。15年10月に賭博の関与が発覚した3選手は、いずれも無期失格処分とした。