ノルウェーの名門ローゼンボリが、本拠地と隣接するホテル「スカンディック」との提携で、歴史に残るゴールを演出した。

1917年創設のローゼンボリは、1990年代から2000年代にかけて13連覇を成し遂げたノルウェー屈指の名門。2010年を最後に4年間タイトルから遠ざかっていたが、2015年シーズンは通算23回目の優勝を成し遂げた。

そのローゼンボリがプレシーズン中の2月8日、本拠地レルケンダールに隣接する「スカンディック」の屋上から、スタジアム内でのゴールをアシストした。「スカンディック」がYoutubeで公開している。

動画はアシスタントコーチが「昨季の我々はトロフィーを獲得した。今年はさらに上を目指そう!」と檄を飛ばして始まる。「今日は、世界で最も壮大なボレーに挑戦だ」。

ローゼンボリの選手たちに課せられたのは、74メートルの高さのビルから、84メートルも離れたレルケンダールのペナルティーエリアに“アシスト”し、地上の選手たちがボレーシュートでゴールを目指すという挑戦だ。屋上の選手たちからは「ボールが破裂するんじゃないか」と不安の声もあがる。

1回目の挑戦。ボールはペナルティーエリアどころか、ピッチの反対側へと落ちた。だが、そこはさすがにノルウェーを代表するプロ。2回目の挑戦ですぐに修正し、ペナルティーエリアとボールを飛ばす。だが、地上の選手たちが反応できない。屋上からは「オレなら決めたぞ」と突っ込みも。

10回、20回と挑戦は続く。ペナルティーエリアにボールが落ちても、地上の選手たちがうまくヒットできず、屋上の選手たちは徐々に苛立ちも見せ始める。見事にゴール手前へと“アシスト”しながらも味方が外した際には、「50センチだぜ。なんで外せるんだ?」と罵声も浴びせた。

迎えた44回目の挑戦。ボールはゴールからやや離れた距離へと向かう。だが、地上の選手が倒れ込みながらこれに合わせると、ボールは緩やかにゴールイン! ついに偉業を達成した地上の選手たちは、タイトルを獲得したかのように走り回って喜んだ。

「さらに上」を目指すノルウェー王者は12日、24回目のタイトル獲得に受けた新シーズンの開幕戦に臨む。