ジャイアンツ・青木宣親【写真:田口有史】

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第1打席で右足首に死球受けるも、激走で先制のホーム踏む

 ジャイアンツの青木宣親外野手が20日(日本時間21日)の敵地ドジャース戦で「1番・レフト」で先発出場し初回の第1打席で右足首に死球を受けた。激痛に耐えながら先制ホームを踏んだが、守備に就かずに途中交代。地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」など現地メディアはその後の精密検査で大きな異常がなかったことや、青木のガッツに対する称賛の声を伝えている。試合はジャイアンツが6-2で勝利した。

 敵地ドジャースタジアムも一瞬、静まり返った。初回の第1打席。相手先発右腕フリアスの2球目、94マイル(151キロ)の速球を飛び上がって避けようとした青木だが、右足首に直撃。痛みのあまり叫びながら倒れ込むと、ブルース・ボウチー監督も心配そうに歩み寄った。しばらく青木はうずくまっていたが、何とか立ち上がると、足を引きずりながら一塁に向かった。

 続くパニクの二塁打では足を引きずる素振りを見せながらも3塁に到達。塁上では表情を歪めた。そしてパガンの犠牲フライで先制のホームイン。そのまま治療のためにベンチ奥へと去った。

 そんな不屈の闘志を見せた青木を、ここ5年で3度ワールドシリーズを制している名将ボウチー監督も称賛。「サンフランシスコ・クロニクル」が報じた速報記事の中で「ノリは我々にとって偉大であり続けた。最高のチームメートであり、リードオフマン。彼はレフトですごくいい仕事をしてくれている。彼の指導は喜びだよ。彼のような選手でいてくれて、私は感謝しているんだ」とコメントしている。

 青木は切り込み隊長に相応しい活躍を継続。20日時点での打率.317、出塁率.383、12盗塁はいずれもナ・リーグ10傑に入っている。

骨に異常なしも痛みあり、22日のドジャース戦出場は微妙な状況

 同紙は特集の中で、対左腕の打率が.343、遠征時の打率がメジャートップの.487、2死でスコアリングポジションに走者がいる場面での打率がリーグトップの.538を紹介。また、メジャーで最も三振しにくい打者で、17・12打席に1三振というデータにも触れている。

 一方、この日途中交代した青木はレントゲン検査の結果、骨に異常はなく、球団は打撲と発表した。

 米コムキャスト・スポーツネットによると、ボウチー監督は「かなり痛がっている。日々、様子を見ていきたい」とコメント。記事では21日(日本時間22日)のドジャース戦の出場は難しいとの見方を示している。

 そんな状態でも先制のホームを踏む激走を見せた青木を、この日先発し、5勝目(6敗)を挙げたハドソンは「あれがチームプレイヤーだ。このロッカールームには、チームの勝利のため自分の健康を犠牲にする必要性をわかっている者たちがいる。彼はタフな選手だよ」と称賛。また、青木自身は通訳を介して「(プレー続行を)試してみたけど、ダグアウトに戻った時に、診てくれたトレーナーたちが抜けたほうがいいって言ったので」とコメントしている。

 青木はMLBオールスター戦のナ・リーグ第4回中間結果発表で外野手部門の3位に入り、現時点で自身初の球宴出場が可能な位置につけている。メジャー屈指の名将やチームメイトの称賛こそが、メジャー4年目を迎えた青木の評価の高さを象徴している。