後藤田正晴元副総理(90)と塩川正十郎前財務相(83)は6日朝放送のTBS<9401>系列の番組「時事放談」に出演し、ライブドアのニッポン放送株大量取得めぐる一連の騒動について、後藤田氏は「堀江さんのやっているのは違法でもなんでもない。ルールそのものがおかしい。堀江さんを非難するはおかしい」と堀江貴文・ライブドア社長を擁護、フジテレビサンケイグループ側の対応について「日枝(久・フジテレビジョン会長)さんが打っている手はちょっと禁じ手ではないか」と話した。塩川氏は「株主というものをどう見ているのか。株主が会いたいといっているのに『会う必要はない』ということ自体が古い」と日枝・フジ会長に苦言を呈した。

 堀江氏の一連の言動について、後藤田氏は「なかなかやるなあ。堀江君が言うようにインターネットとテレビとラジオを総合的な事業をやるのであれば結構」と評価。塩川氏は「経営者に『目覚めよ』という一石を投じた。米国のビジネスのスピードはこんなもの。(日本の経営者に)警鐘を鳴らした」と同調しながら、「放送とかマスコミが公共と言うなら、公共とはいったい何なのか考え直すべき。公共の上にあぐらをかいて、さぼっとったらダメなんだってこと」とメディア界を批判した。

 森喜朗前首相が先月17日の森派総会で「若干疑問を感じる。カネさえあれば何でもいいんだ。力ずくでやれるんだという考え方は日本の教育の成果なのかな」とライブドアによる株式大量取得を批判したことについて、後藤田氏は「ちょっと言動がおかしいのではないか」と述べ、塩川氏は「世の中が変わったということをみんな認識しなくてはいけない」との見解を示した。また、自民党内から出ている「外資規制論」について、塩川氏は「そんなあほなことしたら外国との関係が変になる」と否定的な見解を示した。

 番組の最後には「言っているとおりにやれよ。マネーゲームではあかんよ」(後藤田氏)、「決して自分の金儲けのためだけじゃない、メディアをどうするかということをもう少し親切に説明すべし。具体的なイメージを示せば国民は賛成するだろう」(塩川氏)、と2氏ともライブドアに注文をつけた。【了】